2019年10月01日、ついに日本は消費税率2ケタという歴史的な節目を迎えました。これまでの増税時とは異なり、今回は「軽減税率」という新しい仕組みが導入されています。これは生活必需品である飲食料品などの税率を8%に据え置く制度ですが、店内で食べるか持ち帰るかで税率が変わるため、現場のレジでは少しばかりの混乱も広がっているようです。
今回の増税において、SNSや街の声を賑わせている最大のトピックは、政府が主導する「キャッシュレス・ポイント還元事業」でしょう。増税によって支払額は2%増えましたが、中小の小売店で特定の支払い方法を選択すれば最大5%分が戻ってくるという、一見すると増税前よりお得に感じる逆転現象が起きています。
一億総激怒から一億総困惑へ?増税の風景が変わった理由
1989年04月01日に初めて消費税が導入されてから約30年、増税の日は常に国民の不満が爆発する「怒りの日」として記憶されてきました。しかし、2019年10月の風景は少し趣が異なります。職場では「近所の店で5%還元が始まった」と喜ぶ声がある一方で、「対象だと思ったカードが使えなかった」と肩を落とす人もおり、人々の感情は複雑に分散されています。
複雑怪奇な還元条件や、雨後の筍のように乱立する「QRコード決済」などのキャッシュレス手段。これらは確かに分かりにくいものですが、「上手く使えば得をするかもしれない」という消費者の射幸心を巧みに突いています。国民の怒りを一点に集中させないという点では、政府の戦略は見事に的中したと言えるのかもしれません。
ここで専門用語を整理しておきましょう。「QRコード決済」とは、スマホでバーコードを表示・読み取って決済する仕組みで、財布を持ち歩かないスマートな生活を可能にします。しかし、これほど多くのサービスが競い合う現状では、どのアプリが最も自分に合っているのかを見極めるリテラシーが、現代の消費者には強く求められているのです。
2020年06月末に訪れる「真の増税」への備え
私個人の見解としては、現在のポイント還元狂騒曲は、あくまで「痛みを先送りにする麻酔」に過ぎないと考えています。現在享受している最大5%の還元策は、2020年06月30日をもって終了する予定です。つまり、来たる2020年07月01日には、全ての国民が何の緩和措置もなく「10%」という現実の重みに直面することになります。
政府は小手先の還元策で国民の目を逸らすのではなく、増税した資金を具体的にどう活用し、私たちの未来をどう好転させるのかを、より誠実に、そして透明性を持って説明すべきではないでしょうか。恩恵が終わった瞬間に景気が冷え込む「反動減」が起きないよう、私たちは今から家計の防衛策を練っておく必要がありそうです。
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