栃木県を拠点にバスケットボール界を牽引する「宇都宮ブレックス」が、まさに黄金期と呼ぶにふさわしい勢いを見せています。運営会社が2019年10月08日に発表した2019年06月期の決算報告によると、売上高と営業利益のいずれもが過去最高の数字を叩き出しました。コート上での選手たちの躍動が、そのままビジネスの成功へと直結した形と言えるでしょう。
今回の好調を支えた最大の要因は、本拠地であるホームアリーナへの積極的な設備投資にあります。単なる試合観戦にとどまらない「エンターテインメント性」の向上が、多くのファンの心を掴んだようです。具体的な数字に目を向けると、売上高は前の期と比べて14%も上昇し、13億7000万円という大台に到達しました。企業の基礎的な稼ぐ力を示す営業利益については、驚異の59%増となる3300万円を記録しています。
SNS上では「ブレックスの試合は演出が凄くて、バスケに詳しくなくても楽しめる」「演出への投資が結果に繋がっているのはファンとして嬉しい」といった声が溢れており、アリーナの熱狂が可視化されています。特筆すべきは、1試合あたりの平均観客動員数が初めて4000人の壁を突破し、4004人を記録した点です。これに伴い、チケット収入も29%増の4億3300万円と大幅な伸びを見せました。
盤石な経営基盤と次なるシーズンへの展望
ファン層の拡大は、関連する収益源にもポジティブな連鎖をもたらしているようです。スポンサー収入は5%増の4億6700万円、ユニフォームや応援グッズなどの物販収入も19%増の1億6200万円と、全方位で右肩上がりの成長を遂げました。会計上の調整によって税引き前純利益こそ10%減の3000万円となりましたが、本業の勢いに陰りはありません。
ここで注目したいのが「営業利益」という言葉です。これは売上から原価や販売管理費を差し引いた、いわば「本業で得た利益」を指します。宇都宮ブレックスがこの数値を大幅に伸ばしたことは、プロスポーツクラブとしての自立した経営モデルを確立しつつある証左と言えます。競技成績だけでなく、ビジネス面でもトップランナーである彼らの姿勢は、他のクラブにとっても大きな刺激となるはずです。
編集者としての私見ですが、地方都市を拠点とするクラブがこれほどの経済効果を生む背景には、地域住民との深い絆があると感じます。2020年06月期に向けては、売上高14億5000万円、営業利益3500万円というさらなる高みを目指す方針が掲げられました。強さと楽しさを両立させる「ブレックス・メンタリティ」が、次なるシーズンでどのような景色を見せてくれるのか、期待は膨らむばかりです。
コメント