日本の化学業界を牽引する三井化学株式会社が、東京大学発のスタートアップ企業であるエレファンテック株式会社との業務提携を2019年10月15日に発表しました。このニュースは、従来の製造プロセスの常識を覆す画期的な一歩として、産業界のみならずテクノロジー愛好家の間でも大きな注目を集めています。
エレファンテックが誇る最大の武器は、インクジェット印刷を用いて樹脂フィルム上に電子回路を形成する独自の技術です。通常、基板製造では不要な銅を溶かして回路を作る工程が一般的ですが、彼らの手法は必要な場所にだけ金属を印刷するため、環境負荷が極めて低いという特徴を持っています。
SNS上では「電子基板をプリンターで印刷する時代がついに来たのか」といった驚きの声や、「環境に優しく、しかも多品種少量生産に向いているのは今の時代に合っている」といったポジティブな反応が相次いでいます。まさに持続可能なモノづくりの象徴と言えるでしょう。
三井化学の工場内に量産拠点を設立へ
今回の提携に基づき、エレファンテックは三井化学が保有する名古屋市内の工場敷地内に、新たな基板製造の量産設備を導入する計画を立てています。この新設備の稼働時期は、2020年秋頃を目指しており、スタートアップの柔軟な技術力と大手企業の製造ノウハウが融合する形となります。
ここで注目すべき「プリント基板」とは、スマートフォンや家電製品の内部にある、電子部品を載せるための板のことです。エレファンテックの技術は、曲げる性質のある樹脂フィルム、いわゆるフレキシブル基板に対応しており、ウェアラブル端末や自動車の内装など、複雑な形状が求められる分野での活躍が期待されます。
私個人の見解としては、こうした「オープンイノベーション」こそが、停滞しがちな国内製造業を活性化させる鍵になると確信しています。大企業の持つ巨大なインフラと、大学発ベンチャーの尖ったアイデアが化学反応を起こす様子は、見ていて非常にワクワクする展開ではないでしょうか。
この提携により、従来の複雑な製造工程が簡略化され、製品開発のスピードが飛躍的に向上することは間違いありません。三井化学という強力なパートナーを得たことで、エレファンテックの革新的な技術が、私たちの生活に身近な製品へと次々に実装されていく日が今から非常に楽しみです。
コメント