京セラとソニーが異色タッグ!「自前主義」を脱却しオープンイノベーションで描く電機業界の未来図

日本のモノづくりを牽引してきた電機メーカーの間で、今、大きな地殻変動が起きています。これまで技術を社内に囲い込む「自前主義」を貫いてきた大手各社が、その壁を取り払い、外部の知恵を積極的に取り入れる「オープンイノベーション」へと大きく舵を切り始めました。この変革は、単なる効率化ではなく、激変する市場を生き抜くための戦略的な決断といえるでしょう。

象徴的な事例として注目を集めているのが、2019年07月03日に発表された、京セラとソニー、そしてライオンという異業種3社による共同プロジェクトです。彼らが開発したのは、仕上げ磨きを嫌がるお子様のために誕生した「Possi(ポッシ)」という画期的な歯ブラシです。歯を磨いている間だけ、本人に心地よい音楽が届くという魔法のような体験を提供し、子育て世代の切実な悩みに寄り添っています。

この製品には、京セラの「セラミック素子」という、電気を振動に変える高度な技術が応用されています。この振動が骨を通じて音を伝える「骨伝導」の仕組みを利用することで、ブラシが歯に当たっているときだけ音楽が聴こえるという、遊び心あふれる機能を実現しました。ソニーのスタートアップ支援プログラムから生まれたこのアイデアは、まさに企業の垣根を超えた化学反応の賜物といえます。

SNS上では「子供が自分から歯ブラシを持ってくるようになった」「大手企業が本気で遊び心のある製品を作っていて面白い」といった驚きと称賛の声が相次いでいます。従来のようにスペックの向上だけを競うのではなく、ユーザーがその製品を通じてどのような体験ができるかという「コト消費」を重視した姿勢が、多くの消費者の共感を呼んでいるのでしょう。

オープンイノベーションという言葉は、直訳すると「開かれた革新」を意味します。自社の経営資源だけでなく、大学やスタートアップ企業が持つ斬新なアイデアや技術を組み合わせて、革新的な価値を生み出す手法を指します。日立製作所や三菱電機といった名だたる企業も、2019年に入り、外部パートナーと迅速に連携するための専用施設や共同開発プログラムを次々と立ち上げています。

こうした動きの背景には、技術の進化が加速し、一社だけの力ではデジタル化の波に対応しきれなくなったという危機感があります。私は、この「手を取り合う勇気」こそが、停滞気味だった日本の電機業界を再び活性化させる鍵になると確信しています。各社が持つ卓越した基礎技術に、外部の柔軟な感性が加わることで、私たちの生活を劇的に変える発明が今後も続々と登場するはずです。

もはや「何でも自分たちで作る」時代は終わりを告げ、強みを持ち寄って「最高の価値を届ける」時代へとシフトしました。2019年09月06日現在、電機メーカー各社が展開するオープンな挑戦は、かつての黄金時代とは異なる、より身近で、よりワクワクさせる新しいイノベーションの形を私たちに示してくれているのではないでしょうか。

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