台風19号が三陸鉄道を直撃!「リアス線」全線開業から半年、再びの試練に立ち上がる岩手の魂

2019年10月13日に東日本を襲った台風19号は、岩手県の沿岸部を縦断する三陸鉄道に深刻な爪痕を残しました。同年3月に旧JR線区間を引き継ぎ、悲願の「リアス線」として一本につながったばかりの鉄路を、無情な豪雨が分断してしまったのです。

現在、全線163キロメートルのうち63箇所で路盤の流失や土砂崩れが確認されており、運行再開の目処が立たない区間も多く存在します。SNS上では「震災を乗り越えたばかりなのに」「三鉄頑張れ!」といった悲痛な叫びと、復旧を願う熱いエールが数多く寄せられています。

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宙づりになった線路が物語る被害の凄まじさ

2019年10月16日、岩手県山田町の被災現場を視察した中村一郎社長は、想像を絶する被害を前に言葉を失いました。そこには、線路を支える「路盤(ろばん)」と呼ばれる土台が濁流に押し流され、レールだけが空中に浮いた痛々しい光景が広がっていたからです。

路盤とは、鉄道の重みを分散して支えるクッションのような基礎部分を指します。ここが破壊されると、列車の走行は物理的に不可能となります。さらに、列車の運行を制御する信号設備や電柱も各地で倒壊しており、復旧への道のりは極めて険しいものと予想されます。

現在は、通学生の足を確保するためにバスによる代行輸送が2019年10月15日から順次開始されています。しかし、当初数日で復旧可能と見られていた区間でも、線路内に巨大な岩石が流入していることが判明するなど、自然の猛威は人間の予測を遥かに超えていました。

観光シーズンの打撃と「ソフトパワー」の絆

今回の災害は、まさに秋の行楽シーズンを狙い撃ちしたかのようなタイミングでした。沿線で開催予定だったラグビーワールドカップの試合や、人気アイドルグループAKB48とのコラボ企画列車など、期待されていた目玉イベントが軒並み中止に追い込まれたのです。

書き入れ時の収益源を失ったことは、経営面でも大きな痛手となるでしょう。しかし、三陸鉄道には震災を共に乗り越えてきた「沿線住民」という強力な味方がいます。これまでも、居酒屋風の貸切列車を走らせるなど、地域一体となったユニークな試みが続いてきました。

地元の商工会青年部や有志の支援団体からは、「天災は仕方ないが、全線復旧した際には以前にも増して盛り上げたい」という力強い声が上がっています。公式グッズの購入やSNSでの情報拡散といった、一人ひとりの「ソフトパワー」が今こそ求められています。

私は、三陸鉄道は単なる移動手段ではなく、東北の復興と不屈の精神を象徴する「希望の光」だと確信しています。震災という未曾有の危機を克服した彼らなら、この台風被害も必ずや乗り越えるはずです。私たちはその歩みを、ずっと見守り、支え続けなければなりません。

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