消費増税後の小売株上昇は本物か?インバウンド減速とコスト増が阻む百貨店の未来

2019年10月24日の東京株式市場では、小売関連の銘柄が力強い動きを見せています。消費税率の引き上げという、一見すると逆風に思えるニュースを市場が徐々に消化し始めたことで、行き場を探していた投資資金が再びこのセクターへと流れ込んでいるようです。

しかし、この株価の上昇が今後も長く続くかどうかについては、慎重な見方が根強く残っています。前回の増税時とは取り巻く環境が大きく異なり、当時は救世主となった訪日外国人客による「インバウンド需要」の爆発的な拡大が、今回は期待しにくい状況にあるからです。

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中国経済の停滞が影を落とす免税売上高の現状

かつて百貨店の売り場を賑わせた「爆買い」の勢いには、現在明らかな陰りが見え始めています。特に影響が大きいのは、インバウンドの主役である中国の景気減速です。これにより、高額なブランド品や化粧品を対象とした免税売上高は、以前のような右肩上がりの成長を維持できなくなっています。

SNS上でも「最近の銀座は以前ほどの人混みを感じない」「爆買いの声が小さくなった」といった声が散見され、現場の肌感覚としても変化が訪れているのでしょう。免税売上高とは、訪日客が消費税を免除されて購入する金額のことで、百貨店の利益を支える大きな柱の一つです。

さらに、企業経営を圧迫する要因として無視できないのが、人手不足に伴う人件費の高騰です。労働力の確保が難しくなる中で賃金を引き上げざるを得ず、売上の伸び悩みとコストの増大という、いわゆる「ダブルパンチ」の状態が多くの小売企業の収益をじわじわと蝕んでいるのです。

編集部が読み解く小売セクターの展望

私個人の見解としては、現在の小売株の上昇は一時的な「買い戻し」の域を出ないのではないかと危惧しています。確かに悪材料は出尽くした感がありますが、構造的な成長シナリオを描くには、インバウンドに依存しない新しいビジネスモデルの提示が不可欠だと言わざるを得ません。

多くの投資家が期待を寄せる中で、企業がいかにしてコストを抑え、国内消費を喚起できるかが鍵となるでしょう。2019年10月24日現在の高揚感に惑わされることなく、各社の決算書に刻まれる実質的な収益力を冷静に見極める姿勢が、今の私たちには求められているのではないでしょうか。

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