大統領選まで1年。史上最多の女性候補が挑む「ガラスの天井」と分断されるアメリカの現在地

2019年10月06日、ワシントンの連邦最高裁前には、現政権への抗議の声を上げる人々の姿がありました。その中の一人、レベッカ・トラクソルさんは、かつて共和党を支持していましたが、現在は民主党の女性候補への投票を真剣に検討しています。トランプ大統領による女性蔑視とも取れる言動に深く傷ついた彼女は、「いじめっ子に立ち向かえるのは、その被害者こそがふさわしい」と決意を語ってくださいました。

こうしたトランプ氏への強い反発心は、皮肉にもアメリカ女性たちの政治への意欲を劇的に押し上げています。実際、2018年の中間選挙では民主党から下院へ出馬した女性が前回の2倍に急増しました。2020年の大統領選に向けても、エリザベス・ウォーレン氏をはじめとする史上最多の女性たちが名乗りを上げています。SNS上では、彼女たちの躍進を期待する声が溢れる一方で、現実的な当選可能性を危惧する慎重論も目立ちます。

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見えない障壁「ガラスの天井」の厚み

「ガラスの天井」とは、資質や実績があっても、性別などを理由に昇進が阻まれてしまう目に見えない障壁を指す言葉です。1937年にはわずか33パーセントだった女性大統領への賛成派は、2019年には94パーセントにまで達しました。しかし、数字の上での理解が進んでも、実社会の壁は依然として強固です。2016年に敗北したヒラリー・クリントン氏が残した宿題を、誰がいつ達成するのか、全米が固唾を呑んで見守っています。

驚くべきことに、自由の国を象徴するアメリカですが、連邦議員の女性比率は世界的に見ると193カ国中で78位という低水準に留まっています。これはG7諸国の中でも、日本に次いでワースト2位という厳しい現実です。欧州やアジアでは女性リーダーが珍しくない昨今、アメリカでは副大統領ですら女性が務めた経験がありません。有権者の間でも、「女性への偏見は根強く、まずは副大統領から目指すべきでは」といった妥協案が漏れるほどです。

特に保守的な共和党支持層の間では、安全保障、つまり軍の指揮や核のボタンの管理において「男性の方が優れている」と考える傾向が民主党支持者の3倍も高いというデータがあります。私は、この「強さ=男性」という固定観念こそが、現代のアメリカを分断する最も厚い壁の一つであると感じて止みません。女性たちの熱意がこの伝統的な価値観を塗り替えられるのか、2020年11月の本選まで、激しい議論は続くことでしょう。

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