【2019年最新】愛知の信用金庫が強い理由は?「どぶ板営業」とIT戦略で激戦区を勝ち抜く極意

2019年11月02日、金融の激戦区として知られる中部地方で、信用金庫がどのように生き残りを図るべきかという大きな問いに一つの答えが示されました。愛知県信用金庫協会の会長を務める近藤実氏(西尾信用金庫理事長)は、長年続く低金利政策という逆風の中でも、地域に根ざした独自の戦略があれば勝機は十分にあると力説しています。

現在の愛知県内における信用金庫は、自己資本が厚く経営基盤は安定しているものの、将来的な収益の確保については楽観視できない状況にあります。近藤会長は、経費を上回る貸出金利、つまり「利ザヤ」を適切に確保できなければ、やがて経営の根幹を揺るがしかねないと警鐘を鳴らしました。

また、かつての花形職業であった金融機関に対する採用市場の変化も、無視できない大きな課題として浮上しています。一定の規模を持つ信用金庫であれば志望者の人数こそ集まるものの、質の高い人材を確保するハードルは以前よりも格段に上がっているのが実情なのです。

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メガバンクに負けない!「どぶ板営業」が地域経済を救う

他県からの攻勢も激しい愛知において、信用金庫が生き残るための鍵は「戦う土俵」を明確にすることにあります。メガバンクが主戦場とする大手企業との金利競争に深入りしすぎず、地域に特化したきめ細やかなサービスを提供することが、信金にとって最大の使命と言えるでしょう。

近藤会長が率いる西尾信用金庫では、約200名もの営業員が日々、地域の飲食店などの売上金を直接回収に回る「どぶ板営業」を徹底しています。この言葉は、泥臭く一軒一軒を足で稼ぐ地道な営業スタイルを指しますが、これこそが顧客との信頼関係を築くための生命線なのです。

ネット上では「今どき効率が悪い」という声も見られますが、顔が見える関係性があるからこそ相談できる悩みも多いはずです。デジタル化が進む2019年だからこそ、地域の隅々まで毛細血管のように行き渡る店舗網と人間味のある対応が、信金の圧倒的な強みとして光り輝いています。

流行に流されない「本物のIT活用」と経営者の目利き

今後の大きな課題は、充実した店舗網を維持するためのコストと、利便性の向上をいかに両立させるかという点に集約されます。最新のIT導入は不可欠ですが、近藤会長は「単なる流行に踊らされてはいけない」と、経営者自身の厳しい目利きが必要であることを強調しました。

情報技術、いわゆるITの活用は、業務の効率化には欠かせませんが、選択を誤れば無駄な投資に終わってしまいます。大企業のように専門家が揃っていない組織だからこそ、トップが本質を見極め、必要な場所には惜しみなく資金を投入し、無駄を徹底的に排除する姿勢が求められるのです。

私は、この「泥臭さ」と「冷静な経営判断」のバランスこそが、愛知の信金が全国屈指の強さを誇る理由だと感じます。時代の変化に適応しながらも、決して揺るがない地域への愛着を持ち続けるその姿は、現代のあらゆるビジネスにおける顧客第一主義の原点を示しているのではないでしょうか。

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