世界各地の路上に突如として現れ、社会風刺を込めたグラフィティを残す正体不明のアーティスト、バンクシー。その作品ではないかと噂される注目の「ネズミの絵」が、2019年11月25日から港区の日の出ふ頭で再び一般公開されることが決まりました。
この絵は、片手にカバンを持ち、もう一方の手で傘をさしている愛らしいネズミが描かれたものです。2019年1月、港区内の防潮扉に描かれているのが発見され、またたく間にSNSで拡散されるなど、ネット上でも大きな関心を集めたのは記憶に新しいでしょう。
当初、東京都は公共物への落書きを認めない姿勢を示していましたが、近隣住民から「地域の貴重な資源として、多くの人が見られるようにしてほしい」という熱い要望が寄せられたのです。これを受けて、都は防潮扉から絵の部分を取り外し、適切な管理のもとで展示することを決断しました。
都庁での展示には3万5000人が殺到!日の出ふ頭の新たな名所に
実は、このネズミの絵は2019年4月から5月にかけても東京都庁で公開されており、その際には約3万5000人もの人々が詰めかけました。SNSでは「本物ならすごい」「落書きだけど見に行きたい」と、アートとしての価値を巡る議論も巻き起こっています。
今回、新たな展示場所として選ばれたのは、防潮扉からもほど近い日の出ふ頭にあるクルーズ船「シンフォニー」の待合所です。展示期間は2019年11月25日からとなっており、午前10時から午後7時までの間であれば、乗船チケットを持たない方でも自由に見学が可能です。
ここで「グラフィティ」という言葉について少し触れておきましょう。これは壁や公共物などに描かれる文字や絵のことですが、多くは無許可で行われるため法律上は器物損壊にあたります。バンクシーは、その違法性と芸術性の境界線で戦う、非常に特殊な存在なのです。
私個人の意見としては、たとえ真贋が不明であっても、一つの表現がこれほど多くの人々を動かし、地域の活性化に繋がっているという現象自体が非常に現代的で面白いと感じます。落書きを容認することへの賛否はありますが、観光資源としての活用は一つの解と言えるでしょう。
都は「落書きそのものを推奨するわけではないが、ふ頭の賑わいに貢献してほしい」と説明しています。冬の気配が近づくお台場エリアの散策ついでに、話題のネズミに会いに行ってみてはいかがでしょうか。今しか見られない都会の奇跡を、ぜひその目で確かめてみてください。
コメント