2019年6月13日、金融業界のIT活用において非常に興味深いニュースが飛び込んできました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の傘下にあるベンチャーキャピタル、三菱UFJイノベーション・パートナーズ(MUIP)が、アメリカの「シンフォニー(Symphony)」という企業に出資を行ったのです。その出資額はなんと1000万ドル、日本円にして約11億円にも上るとみられています。この巨額投資の背景には、一体どのような戦略があるのでしょうか。
まず、今回話題となっている「シンフォニー」について解説しましょう。簡単に言えば、これは「金融機関専用の超高セキュリティなチャットアプリ」を開発・提供している会社です。私たちが普段使っているLINEやSlackのような便利さを持ちながら、情報の取り扱いが極めて厳しい金融業界の規制をクリアする強固なセキュリティ機能を備えています。実はこの会社、2014年にゴールドマン・サックスなどの世界的な金融大手15社が共同で設立したという、まさに金融界のサラブレッドとも言える存在なのです。
セキュリティと利便性の両立へ
金融機関の業務といえば、顧客情報やインサイダー情報など、絶対に漏洩が許されないデータを扱うため、これまでは使い勝手よりもセキュリティが優先されがちでした。しかし、シンフォニーのアプリはメッセージのやり取りだけでなく、電話、ビデオ会議、ファイル共有といった多様な機能を一つのプラットフォームで安全に行うことができます。MUFGは今回の出資を通じて、こうした最先端の技術をグループ内に取り込み、業務の大幅な効率化を図る狙いがあるのでしょう。
ネット上の反応を見てみると、SNSでは「銀行もやっとモダンなツールを使うようになるのか」「セキュリティ特化のチャットなら安心して使えるね」「11億円も出す価値がある技術なんだ」といった驚きと期待の声が多く上がっています。特に、これまで堅苦しい連絡手段しか許されていなかった金融マンたちからは、働き方が変わることへの期待感がにじみ出ているように感じられます。
私自身の見解としても、今回の提携は非常に理にかなった一手だと感じます。フィンテックの進化により、金融機関にもスピード感が求められる時代において、コミュニケーションの円滑化は急務です。しかし、セキュリティをおろそかにすることは許されません。そのジレンマを解消する「シンフォニー」への投資は、日本のメガバンクが本気でデジタル変革に取り組もうとしている強い意志の表れではないでしょうか。今後のMUFGの変革に大いに期待したいところです。
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