親が亡くなった後、誰も住まなくなった実家をどうすべきか。そんな「空き家問題」に直面し、頭を抱えている方は少なくありません。総務省の調査によれば、2019年現在の日本には約849万戸もの空き家が存在し、なんと住宅全体の7戸に1戸が主を失っている状態です。放置すれば家の傷みは進み、野生動物の住処になるリスクも。思い出が詰まった場所だからこそ、最初の一歩を踏み出すのは勇気がいりますよね。
2019年11月23日、取材に答えてくれた都内在住の27歳男性は、5年という長い月日をかけて実家の片付けを終えました。相続後、千葉から通いながら管理を続けてきましたが、固定資産税や光熱費だけで年間数十万円の出費が続いていたそうです。彼は「ひとりで捨て続けるのは精神的につらかった」と本音を漏らします。ネット上でも「親の遺品を捨てる罪悪感に勝てない」「終わりが見えない」と共感の声が渦巻いています。
「宝探し」で心を軽くする!専門家が教える処方箋
片付けをスムーズに進めるコツは、視点を変えることです。住生活コンサルタントの大久保恭子さんは、まず自分の欲しい物を「宝探し感覚」で探すことを勧めています。また、親族や友人に形見分けとして譲ることで、物を捨てる際の後ろめたさが軽減されるそうです。単なる「処分」ではなく、大切な品を「次へ繋ぐ作業」と捉えることで、重かった足取りも少しずつ軽くなっていくのではないでしょうか。
また、自分一人で抱え込まないことも重要です。実家が遠方にある場合、第三者の力を借りることで劇的な変化が生まれます。例えば、山口県周防大島町では、所有者が「地元の役に立つなら」と移住支援員に片付けを委ね、空き家をシェアオフィスとして再生させる取り組みが始まっています。他者が介入することで、個人的な執着から解放され、家が新しい価値を持つ「公の場」へと生まれ変わるきっかけになるのです。
イベント化して楽しむ?進む空き家再生の新しいカタチ
さらにユニークな事例として、片付けそのものをイベント化する動きも注目されています。兵庫県丹波市では、旧家をゲストハウスに改修するため、職人や経営者が集まり、ワークショップ形式で作業を楽しんでいます。苦行になりがちな作業を「交流の場」に変える工夫は、SNSでも「この方法なら参加したい」と反響を呼んでいます。周囲の助けを得ることは、体力面だけでなく、所有者の大きな心の支えになります。
2015年に施行された「空き家対策特別措置法」により、適切に管理されていない住宅は固定資産税が増額されるなど、厳しいペナルティの対象となる可能性が出てきました。しかし、法律に急かされるのではなく、片付けを「家族の歴史を整理し、自分たちの未来へ一区切りをつけるための儀式」と考えてみてはいかがでしょうか。早めに家族で話し合い、小さな物から減らしていくことが、将来の自分を救う鍵となります。
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