氷上の絶対女王として世界を席巻するスピードスケートの小平奈緒選手が、2019年11月26日にワールドカップ第1戦および第2戦の遠征を終え、羽田空港に帰国しました。長旅の疲れを感じさせない晴れやかな笑顔で取材に応じた彼女は、今大会を振り返って「コンディションをピークに合わせていない段階でも、実戦を通じて大きな収穫を得られた」と力強く手応えを語っています。
今回の遠征では、多くのファンを驚かせる波乱の幕開けが待っていました。初戦の500メートルでは、不運にも同走者が失格になるというアクシデントに巻き込まれ、本来の滑りを阻まれる形で3位に終わっています。この結果、これまで積み上げてきたワールドカップでの連勝記録が「23」でついに途絶えることとなりました。
SNS上では、この突然の記録ストップに対して「記録はいつか止まるものだけど、やっぱり悔しい」「アクシデントがあっても表彰台に上がるのはさすが」といった、驚きと労いの声が数多く寄せられています。しかし、小平選手の真骨頂はここからでした。彼女は連勝が途切れた直後のレースで見事に優勝を果たし、瞬く間に世界の頂点へと返り咲いたのです。
「また一から始めればいい」という覚悟
記録が途絶えたことについて問われた彼女は、「また一から積み上げていけばいい」と潔く前を向いており、その精神的なタフさには圧倒されるばかりです。ここで重要となる「収穫」という言葉は、単に順位を指すのではなく、滑りの中での体の使い方や氷の感触といった技術的なフィードバックを意味しています。
スピードスケートにおいて、同走者の動きに惑わされず自分のリズムを保つことは非常に困難ですが、彼女は不測の事態を言い訳にしません。私は、この「執着しない強さ」こそが彼女を女王たらしめている要因だと確信しています。記録という過去に縛られず、常に「今」の滑りを追求する姿勢は、競技の枠を超えて多くの人々に勇気を与えるでしょう。
2019年11月26日の帰国会見で見せたその眼差しは、次なる戦いを見据えた鋭い光を放っていました。連勝というプレッシャーから解放された今、小平奈緒選手はさらに自由に、そして速く氷の上を駆け抜けてくれるに違いありません。一回り成長した彼女が、今シーズンどのような伝説を再び紡いでいくのか、期待は高まるばかりです。
コメント