秋の深まりとともに、東京の真ん中で鮮やかな色彩が共演する特別な季節がやってきました。2019年11月30日、皇居の「乾通り(いぬいどおり)」で秋の一般公開が始まり、多くの人々がその美しさに酔いしれています。開門を待ちわびる約3,000人もの方々が坂下門の前に長蛇の列を作ったため、予定よりも15分早い午前8時45分に開門されるという異例の事態となりました。宮内庁の発表によれば、初日の正午までに早くも約3万5,000人が足を運んでおり、その注目度の高さがうかがえます。
もともとこの乾通りの一般公開は、現在の上皇さまが80歳を迎えられた「傘寿(さんじゅ)」の記念として、2014年から始まった恒例行事です。丸の内側に位置する坂下門から、日本武道館に近い乾門へと続く約750メートルの並木道は、普段は立ち入ることができない神聖なエリアとなっています。都心の喧騒を忘れさせてくれるような、歴史ある石垣とお堀の水面、そして赤や黄色に染まった木々が織りなすコントラストは、まさに一幅の絵画のような美しさと言えるでしょう。
SNS上では、実際に現地を訪れた方々から「都会のど真ん中とは思えない静寂と美しさに感動した」「一生に一度は見たい景色」といった称賛の声が相次いでいます。特に、重厚な石垣と紅葉がセットで写るアングルは、写真映えするスポットとして投稿が急増しており、令和元年の秋を彩る一大イベントとして定着しているようです。私自身、こうした伝統と自然が調和した空間が一般に広く開放されることは、皇室と国民との心の距離を縮める素晴らしい機会だと感じています。
令和元年の目玉!大嘗宮の特別公開も同時開催
2019年の秋が例年以上に特別な理由は、乾通りの東側にある「東御苑」にて、貴重な「大嘗宮(だいじょうきゅう)」が公開されている点にあります。大嘗宮とは、2019年11月14日から11月15日にかけて執り行われた、天皇陛下の代替わりに伴う最重要儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」のために特別に造営された神殿です。この祭祀は、新天皇がその年の収穫に感謝し、国家の安寧と五穀豊穣を祈る一代一度の儀式であり、日本古来の精神文化が凝縮されたものといっても過言ではありません。
この大嘗宮は儀式終了後に解体される運命にあるため、間近で見学できるチャンスは今しかありません。乾通りの紅葉散策とあわせて、歴史の証人となれるこの機会を逃す手はないでしょう。どちらの公開も2019年12月8日までとなっており、入門時間は午前9時から午後3時までと設定されています。冬の足音が聞こえ始めるこの時期、温かい服装で皇居を訪れ、時代が動く瞬間とその背景にある美しい自然を感じてみてはいかがでしょうか。
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