【山種美術館】東山魁夷の「青」と奥田元宋の「赤」が共鳴する!色で読み解く日本画の深淵と魅力

特定の色彩が画家の名前と強く結びつき、まるでその人の代名詞のように語り継がれることがあります。2019年11月18日現在、東京・広尾の山種美術館では、そんな色の魔術師たちにスポットを当てた注目の展覧会「東山魁夷の青・奥田元宋の赤 ―色で読み解く日本画―」が開催されています。本展は、近現代の日本画壇を代表する巨匠たちが、いかにして独自の色彩表現を確立したのかを紐解く、極めて贅沢な構成となっています。

SNS上では、展示室に足を踏み入れた瞬間に広がる鮮やかな色彩に圧倒されたという声が続出しています。「東山ブルーの静寂に吸い込まれそう」「元宋の赤が放つエネルギーに魂が震えた」といった感動の投稿が相次ぎ、若い世代からも高い関心を集めているようです。特に、色彩の対比がもたらす視覚的なインパクトは、普段あまり日本画に馴染みのない方にとっても、直感的に楽しめる要素となっているのでしょう。

本展の最大の見どころは、何と言っても東山魁夷が描く「年暮る」に代表される、静謐で透明感あふれる青の世界です。この「東山ブルー」を支えるのが、岩絵具(いわえのぐ)という日本画特有の画材です。岩絵具とは、天然の鉱石を細かく砕いて作られる顔料のことで、粒子の粗さによって色の深みや質感が劇的に変化します。魁夷はこの伝統的な素材を巧みに操り、北欧の風景や日本の古都が持つ、澄み切った空気感を見事に描き出しました。

一方で、奥田元宋が描き出す「奥入瀬(秋)」の燃え上がるような「赤」は、観る者の心を熱く揺さぶります。彼が追求した鮮烈な色彩は「元宋の赤」と称され、大自然が放つ生命力の輝きを象徴しているようです。編集者の視点から言わせていただければ、この青と赤の対比は単なる色の違いに留まりません。それは、画家の内面にある「静」と「動」の哲学が、キャンバスならぬ絹本や紙の上で火花を散らしているかのような、ドラマチックな体験なのです。

会場では、奥村土牛や山口蓬春、田渕俊夫といった名だたる画家たちの作品約50点も一堂に会しています。それぞれの画家がどのような社会的背景の中で筆を執り、どのような言葉を遺したのか。その背景を知ることで、ただ「綺麗だ」と感じる以上の深い感動が押し寄せます。2019年12月22日までの開催期間中に、ぜひ足を運んでみてください。色彩というレンズを通して日本画を鑑賞することで、芸術の新しい扉が開くはずです。

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