GSOMIA失効目前!揺れる日米韓の安保協力と韓国・文政権が抱える苦渋の選択

2019年11月17日、タイのバンコクにて日米韓3カ国の防衛相会談が開催されました。目前に迫った2019年11月23日午前0時の軍事情報包括保護協定、通称「GSOMIA(ジーソミア)」の失効を回避すべく、緊密な協議が行われたのです。GSOMIAとは、防衛上の機密情報を第三国に漏らさないことを約束する国家間の契約であり、特に対北朝鮮への防衛戦略において日韓が直接データをやり取りするための極めて重要な枠組みを指します。

会議の場では安全保障面での協力継続こそ確認されたものの、韓国側は依然として強硬な姿勢を崩しておりません。韓国側は、日本が実施した半導体材料などの輸出管理厳格化措置を撤回することが、協定延長の絶対条件であると主張し続けています。SNS上では「安全保障を貿易問題のカードに使うべきではない」という批判的な声がある一方で、「日本の輸出規制こそ不当だ」とする韓国側の世論を支持する書き込みも見られ、ネット上でも激しい議論が巻き起こっています。

韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は、会談において友好国であるはずの日韓が安保協力で困難に直面している現状に遺憾の意を示しました。しかし、GSOMIAについては外交努力を強調するに留まり、具体的な歩み寄りは見られません。日本政府は「輸出管理とGSOMIAは全く別次元の問題である」という一貫したスタンスを維持しており、韓国が提示する交換条件を受け入れる余地はないとしています。

実は韓国国内でも意見は割れており、国防省や外務省といった実務を担う現場では、米韓同盟を重視する観点から「延長すべき」との声が根強く残っています。鄭氏自身も、協定が失効すれば「北朝鮮や中国、ロシアを利するだけだ」と、その重要性を認めていました。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の視座は異なります。大統領は2019年11月15日に米国のエスパー国防長官と会談した際も、輸出規制を行う日本と軍事情報を共有するのは困難だとの認識を伝えました。

文政権がここまで頑なになる背景には、2020年4月に控えた総選挙の影響が色濃く反映されていると言えるでしょう。もしここで安易に協定延長を決断すれば、支持基盤である革新系団体から「日米の圧力に屈した」と見なされ、政権運営に大きな打撃を受けるリスクがあるからです。しかし、破棄を強行すれば米韓同盟に亀裂が入り、国際社会での孤立を深めることになります。延長か破棄か、文政権はまさに進退窮まる「詰み」の状態にあると感じざるを得ません。

2019年8月に大統領府が下した破棄の決定は、日本の安保の隙を突いて米国を仲介に引き出す狙いがあったはずですが、現状ではその目論見は外れたと言わざるを得ないでしょう。韓国は日本に対して「延長するための面目(大義名分)が欲しい」と打診しているようですが、状況は好転していません。現在は情報のやり取りを一部制限する案など、苦肉の策とも言える妥協案を模索している段階です。

結局のところ、元徴用工訴訟という根深い対立構造が解消されない限り、この出口の見えない攻防は続くのでしょう。しかし、日米韓の連携が崩れることは、北朝鮮の挑発を許し、地域の平和を脅かすことに直結します。2019年11月22日から名古屋で開催されるG20外相会合に合わせ、康京和(カン・ギョンファ)外相の来日も予定されています。2019年11月23日午前0時のタイムリミットまで、外交当局による懸命な模索が続く見通しです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました