人生100年時代を迎え、住み慣れた我が家を有効活用して老後資金を確保する「リバースモーゲージ」が注目を集めています。これは自宅を担保に融資を受け、契約者の死亡後に物件を売却して一括返済する仕組みですが、不動産価値の下落という大きな壁がありました。
2019年12月02日、三菱UFJ信託銀行はこの課題を解決する画期的な新サービスを開始すると発表しました。従来の課題は、自宅の売却価格が借入額を下回った際、その不足分を相続人が負担しなければならないリスクにあり、これが利用をためらう大きな要因だったのです。
SNS上では「子供に迷惑をかけたくないから、この仕組みは心強い」「拠出金は保険料のようなものか」といった、将来の負担軽減に対する前向きな反応が目立ちます。一方で、コスト面をシビアに見極めようとする賢い消費者たちの声も多く上がっているようです。
日本初!利用者同士でリスクを支え合う「拠出金」の仕組み
今回の新サービスの最大の特徴は、利用者が一定の「拠出金」を出し合い、返済不足に備える相互扶助の仕組みを導入した点にあります。これは日本初の試みであり、不動産価格が暴落しても、相続人が身銭を切って不足分を支払う必要がないという安心感を提供します。
具体的には、死亡時に自宅の所有権を銀行側へ移転させる「信託」の機能を活用します。銀行が責任を持って売却を行い、評価額が借入額を上回れば余剰分を遺族へ相続させ、万が一不足が生じた場合には、あらかじめ積み立てられた拠出金から補填する仕組みです。
専門用語としての「リバースモーゲージ」は、直訳すれば「逆住宅ローン」を意味します。通常のローンが残高を減らしていくのに対し、これは借入額が増えていき、最後に家を手放すことで清算する、まさに高齢期の資産流動化における切り札と言えるでしょう。
安心の対価と利用条件をプロの視点でチェック
ただし、手厚い保障には相応のコストも伴います。初回借入時に限度額の5%相当を拠出金として支払うほか、税別10万円の信託報酬が必要です。他社と比較すると初期費用は膨らみますが、私はこれを「相続トラブルを防ぐための保険料」と捉えるべきだと考えます。
対象は当面、東京23区に居住する70歳以上に限定されます。例えば自宅の価値が5000万円であれば、融資上限は2500万円となり、その10%にあたる年間250万円を定額で受け取ることが可能です。金利負担を考慮すると、想定される利用期間は7年から8年程度となります。
不動産という「動かせない資産」を「使える現金」に変えるこの試みは、今後の高齢社会において極めて重要です。コストはかかりますが、子供世代に負債を残さないという潔い選択は、現代の家族の在り方にマッチした非常に合理的な手段と言えるのではないでしょうか。
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