「投資」と聞くと、多くの人が「自分のお金を増やすための手段」と真っ先に思い浮かべることでしょう。2019年11月13日現在、将来への不安を解消し、より豊かな生活を手に入れたいという願いは、世代を問わず共通の関心事となっています。しかし今、投資の目的は単なる自己利益の追求から、一歩先へと進化を遂げようとしています。
最近、インターネット上でも「自分の投資が誰かの役に立つのなら、これほど嬉しいことはない」というポジティブな声が目立つようになりました。自分の資産を育てながら、同時に地球環境や社会課題の解決を支援する。そんな魔法のような仕組みが、持続可能な開発目標である「SDGs」を軸とした「ESG投資」という形で大きなうねりを見せています。
企業価値の新基準!なぜ今「社会貢献」が必要なのか
これからの時代、企業が生き残るために必要なのは、ただ利益を上げることだけではありません。ここで重要になる「ESG投資」とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取った概念です。財務情報だけでなく、社会的な責任を果たしているかを評価して投資先を選ぶ、プロの投資家も注目する手法なのです。
SNSでは「不祥事を起こす会社には投資したくない」「クリーンな企業を応援したい」という倫理観に基づいた投稿が散見されます。もはや、利益の高さだけでは社会からの共感は得られません。社会の困りごとに真摯に向き合い、具体的な解決策を提示できる企業こそが、真の意味で価値のある存在として認められる2019年のトレンドといえるでしょう。
私は、この変化を非常に健全な流れだと確信しています。投資家が厳しい目を持つことで、企業はより良い社会作りに取り組まざるを得なくなります。つまり、私たち一人ひとりの投資判断が、企業の行動を正し、未来を形作る強力な一票になるのです。利己的な欲求が、結果として利他的な貢献に繋がるこの構造は、資本主義の理想的な進化ではないでしょうか。
野村アセットマネジメントが挑む、運用会社の自己改革
日本の運用業界を牽引する野村アセットマネジメントは、こうした時代の変化を敏感に捉えています。同社は年間で延べ5000件以上もの企業対話を実施しており、投資先を厳選する「責任投資調査部」という専門部隊まで設立しました。単にお金を投じるだけでなく、時には株主総会で厳しい意思表示を行い、企業に変化を促している点は見逃せません。
かつて、テレビCM一本で数千億円の資金が動いたバブル期の狂乱は、今は昔の話です。2019年12月に創業60周年を迎える同社は、小口の資金をプロが運用する「投資信託」のあり方を再定義しようとしています。ただ商品を売るのではなく、そこにどのようなメッセージを込め、いかに社会に貢献するか。その姿勢が問われるシビアな時代に突入しています。
特に注目すべきは、2000億円もの資金を集めている「野村ACI先進医療インパクト投資」のような、実社会への影響(インパクト)を重視した商品です。こうした動きに対し、「目に見える形で応援できるのが良い」といった反響が個人投資家からも寄せられています。資産運用のプロもまた、社会に必要とされる存在であり続けるために必死の努力を続けているのです。
人生100年時代を迎え、女性の社会進出や医療の進歩が急務となる中で、投資が果たすべき役割は無限に広がっています。投資という行為を通じて、私たちはより良い明日を選択できるはずです。資産が増える喜びと、社会が良くなる手応え。その両方を手に入れることが、これからのスタンダードになっていくに違いありません。
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