日本のビジネス界にとって、非常に大きな意味を持つニュースが飛び込んできました。2019年6月21日、日本経済団体連合会(経団連)は、欧米の主要な機関投資家などで構成される「国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(ICGN)」と、企業統治改革のさらなる強化に向けた覚書を締結しました。これは単なる書類上の契約ではなく、日本企業が世界のマネーを呼び込むための重要な布石といえるでしょう。
そもそもICGNとは、世界の公的年金基金などが加盟する、投資家の国際的な連合体です。彼らが重視するのは、企業の収益力だけではありません。「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」、つまり企業が不正を行わず、株主や社会に対して透明性の高い経営を行っているかという点を厳しくチェックしています。今回の提携は、日本企業がこうしたグローバルな投資家の視点を積極的に取り入れようとする姿勢の表れなのです。
加速する「ESG投資」と日本の現在地
この背景には、近年急速に拡大している「ESG投資」の存在があります。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を取ったもので、これらの要素を重視する企業に投資する潮流のことです。経団連は、日本企業の取り組みを海外へ積極的に発信すると同時に、海外投資家が日本企業に何を求めているのかという「生の声」を共有しようとしています。
実は経団連の動きは、今回に始まったことではありません。振り返れば2018年6月には、企業統治改革を推進するための専門部署を新設していました。さらに、2019年4月にはアメリカへミッションを派遣し、現地の機関投資家に対して日本の改革状況を説明するなど、地道な努力を続けてきた経緯があります。今回の覚書締結は、そうした一連の流れにおける一つの到達点であり、新たなスタートラインでもあるのです。
ネット上の反応と今後の展望
このニュースに対して、SNSやネット掲示板では投資家を中心に関心が高まっています。「ようやく日本もグローバルスタンダードに本腰を入れ始めたか」「ガバナンス強化で株価の底上げに期待したい」といった好意的な意見が見られる一方で、「形だけの改革で終わらないか監視が必要」「海外ファンドの言いなりになるのでは」といった慎重論も一部では囁かれています。
私自身、編集者としての視点から言わせていただければ、この提携は日本経済にとって「必須の選択」だったと考えます。もはや日本国内の論理だけで企業経営が成り立つ時代は終わりました。海外からの投資マネーを呼び込み、持続的な成長を遂げるためには、世界の投資家と同じ言語、同じ基準で対話することが不可欠です。経団連が旗振り役となり、日本企業全体の透明性が向上することは、巡り巡って私たち消費者の利益にもつながるはずです。
コメント