【2019年最新】青い海が外交の戦場に?南太平洋で激化する「日米豪vs中国」の覇権争いと日本の生命線

パラオやフィジー、クック諸島と聞けば、誰もが透き通るような青い海と空、そして美しい珊瑚礁のリゾートを思い浮かべることでしょう。しかし今、この楽園のような南太平洋の島々が、主要国による熾烈な「外交戦の舞台」へと変貌を遂げているのをご存知でしょうか。

太平洋に面する日本、アメリカ、オーストラリアという従来の勢力に対し、巨大な資金力を武器に影響力を強める中国。この海域は単なる観光地ではなく、各国の国益がぶつかり合う最前線となっているのです。

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日本の「生命線」を守れ!自由で開かれたインド太平洋

2019年5月17日、首相官邸で開かれた会議において、日本政府は南太平洋地域の安定と安全を確保するという目標を再確認しました。ここで鍵となるのが、安倍晋三首相が提唱し頻繁に発信している「自由で開かれたインド太平洋」という構想です。

これは少し難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、要するに「アジアからアフリカに至る海を、特定の国の支配下に置かず、誰もが自由に安全に行き来できるようにしよう」という国際的なルールのことです。法の支配や航行の自由を掲げることで、南シナ海などで軍事拠点化を進める中国を牽制する狙いがあると言えるでしょう。

中国が描く防衛ライン「第2列島線」の脅威

なぜ今、南太平洋がこれほど重要視されるのでしょうか。それは、中国がこの地域を自国の防衛戦略上の要衝、「第2列島線」として捉えているからです。これは日本の小笠原諸島からグアム、サイパンを経てパプアニューギニアに至るラインを指し、中国軍が米軍に対抗するための能力をこのラインまで広げようとしていると、米議会の諮問機関も指摘しています。

実際、バヌアツでは中国の支援による大規模な港湾建設が進んでおり、2017年後半からは「軍事基地化されるのではないか」という懸念が持ち上がっています。もしここに中国の基地ができれば、日米豪の艦船の動きが筒抜けになってしまう恐れがあるのです。

チャイナマネーの攻勢と日本の危機感

中国の影響力拡大の背景には、圧倒的な資金力があります。2006年から2016年の間に、中国から太平洋諸国へ投じられた支援額は約18億ドルに上り、日本の約1.5倍、アメリカの19億ドルに肉薄する勢いです。いわゆる「一帯一路」構想と同様に、チャイナマネーがこの地域を席巻しつつあるのが現状です。

編集者である私自身、この状況には強い危機感を抱いています。なぜなら南太平洋は、日本にとってエネルギーや資源を運ぶための極めて重要な「シーレーン(海上交通路)」だからです。オーストラリアから輸入する石炭の7割、鉄鉱石の6割がこの海を通ります。南シナ海と同様、ここが不安定になれば日本の経済活動は窒息しかねません。

「一国一票」の重みと外交の行方

さらに注目すべきは、台湾をめぐる外交合戦です。南太平洋には台湾と国交を持つ国が6カ国ありますが、中国からの経済支援を背景に、これらの国々が台湾と断交し中国へとなびく可能性が指摘されています。実際、ソロモン諸島のソガバレ首相は中国への接近を示唆する発言をしており、予断を許さない状況です。

これに対し、日米豪も手をこまねいているわけではありません。トランプ米大統領は2019年5月21日、ミクロネシア連邦などの首脳をホワイトハウスに招き、厚遇でもてなしました。オーストラリアやニュージーランド、フランスも支援を強化し、中国への対抗姿勢を鮮明にしています。

SNS上では、「リゾートの裏でこんな争いがあるなんて知らなかった」「日本の平和ボケが心配だ」といった驚きの声と共に、「ODA(政府開発援助)の重要性がよくわかる」といった意見も散見されます。国連では大国も小国も同じ「一票」を持っています。かつて日本が圧倒的なプレゼンスを誇ったこの地域ですが、先行者利益にあぐらをかいている時間はありません。知恵を絞り、戦略的に関与を深めていくことが、日本の未来を守ることにつながるのではないでしょうか。

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