2020年の東京五輪において、大きな注目を集めているマラソンと競歩の札幌開催について、新たな動きが見えてきました。大会組織委員会は、当初バラバラに設定されていた競技日程をギュッと凝縮し、連日開催とする方向で調整を進めていることが2019年12月1日に明らかになったのです。もともとは2020年7月31日から8月9日までの期間に分散していましたが、これを「4日間」に集約する案が軸となっています。
なぜ、このように大幅なスケジュール変更が検討されているのでしょうか。その背景には、競技団体側から寄せられた切実な声があります。東京と札幌という離れた二つの都市を、選手に帯同するスタッフや関係者が何度も往復するのは、体力面でもコスト面でも大きな負担となってしまいます。こうした懸念を払拭し、スムーズな大会運営を実現するために、集中開催という選択肢が浮上したわけです。
世界陸連が求める「コンパクトな運営」と周回コースの謎
具体的な日程案としては、大会のフィナーレを飾る男子マラソンを予定通り2020年8月9日に実施し、その前の数日間に女子マラソンや競歩を詰め込む形です。例えば、2020年8月6日から7日にかけて競歩の3種目を行い、土曜日の8日に女子マラソンを開催する4日間プラン。あるいは、1日1種目ずつ消化する5日間プランなどが、現在まさに協議のテーブルに乗っています。
ここで注目したいのが、陸上競技の国際的な元締めである「ワールドアスレチックス(世界陸連)」の意向です。世界陸連は、運営効率化の観点から「コースのコンパクト化」を強く求めています。組織委が提示した札幌中心部を2周する案に対し、なんと6周から7周もさせる案を要望しているとのことです。周回を増やすことで、必要な警備スタッフを減らせるなどのメリットがあるからだと言えるでしょう。
しかし、この集中開催案には大きな壁も立ちはだかっています。競歩が平日開催となる場合、通勤や物流といった市民の足への影響が、休日よりも格段に大きくなってしまうのです。札幌市や北海道警との調整は一筋縄ではいかないはずですが、組織委には丁寧な説明と、地域住民に寄り添った解決策の提示が求められています。私個人としては、選手ファーストを掲げる以上、市民の生活への配慮も欠かせないポイントだと強く感じます。
札幌の象徴「大通公園」が五輪の聖地に!今後のスケジュール
運命の決定は、間もなく訪れます。2020年12月4日に開催される国際オリンピック委員会(IOC)の理事会において、マラソンと競歩の発着地点が札幌のシンボルである「大通公園」に正式決定される見通しです。SNS上では「北海道の涼しい風を感じるレースに期待したい」という声がある一方で、「直前の会場変更で準備は間に合うのか」と不安視する投稿も散見され、期待と不安が入り混じっています。
組織委員会は、この理事会のタイミングに合わせて、日程や具体的なコースについても決定案を提示したい考えです。世界陸連とのタフな交渉に加え、地元の理解を得るための詰め作業は、今まさに正念場を迎えていると言えるでしょう。世界中が注目する晴れ舞台が、選手にとっても観客にとっても、そして開催地である札幌市民にとっても素晴らしい思い出になるよう、着実な進展を願わずにはいられません。
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