2019年12月02日、廃炉作業の大きな壁を打ち破る画期的な発明が発表されました。大阪大学の研究チームが、福島第一原発の溶け落ちた核燃料、いわゆる「デブリ」を回収する際に、危険な放射性物質を含んだ粉塵が舞い上がるのを防ぐゲル状の塗布剤を開発したのです。
「デブリ」とは、事故の熱で溶け出した核燃料が、周囲の金属やコンクリートと混ざり合って冷え固まった物質を指します。これを少しずつ砕いて取り出す作業は、廃炉の最難関工程と言えるでしょう。強力な放射線を放つこの塊を削る際、目に見えない微細な「ちり」が飛散することは、作業員の安全や周辺環境への影響を考える上で最大の懸念事項でした。
通常、放射線を遮るには水の中に沈めて作業するのが理想的ですが、損傷した格納容器に水を満たすのは現状では極めて困難です。そこで、空気中での作業を余儀なくされる現場のために、この「塗るだけで飛散を防ぐ」特殊なゲルが誕生しました。SNS上では「日本の技術力が廃炉の希望になる」「現場の安全が少しでも高まってほしい」といった期待の声が数多く寄せられています。
専門家の視点から見ても、この技術は非常に合理的かつ実戦的です。水を使えない過酷な環境下で、物理的に粉塵を包み込み、封じ込めるという発想は、まさに逆転の発想と言えるでしょう。廃炉という気の遠くなるような長い道のりにおいて、こうした一つひとつの技術革新が、確かな一歩を作り出していくのだと強く感じさせられます。
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