プロ野球界に新たな風を吹き込んでいる千葉ロッテマリーンズが、さらなる飛躍を目指してデジタルマーケティングの強化に乗り出しました。球団は2019年12月03日、ITサービスを展開するビービット社の分析ツール「ユーザグラム」を導入したことを発表しています。これは単なる数字の集計ではなく、公式サイトを訪れた一人ひとりの足跡を詳細に辿ることで、ファンの心の動きを読み解こうとする画期的な試みなのです。
SNS上では「球団が自分たちの動線を見てくれているのは嬉しい」「もっとチケットが買いやすくなるなら歓迎」といった期待の声が上がっています。これまでのサイト運営は、どうしても情報の多いコアなファン向けになりがちでした。しかし、今回の施策は観戦経験の少ない「ライト層」をターゲットに据えている点が特徴的です。サイト内での迷いを取り除くことで、初めての方でも迷わず球場へ足を運べる環境が整うことでしょう。
心理を読み解く「行動データ分析」がファン体験を変える
具体的には、ユーザーがどのページをどれくらいの時間眺めていたかという履歴を細かく把握していきます。ここで重要なのが「行動データ分析」という手法です。これは、単に「何人が見たか」ではなく「なぜその動きをしたか」という背景を探るものです。例えば、チケットの価格表を何度も往復している人がいれば、それは購入手順が複雑で困っているサインかもしれません。こうした課題を可視化し、サイト設計を直感的なものへと改善していくのです。
さらに、ファンクラブの特典ページを熱心に比較しているユーザーがいれば、入会を後押しする魅力的な提案をピンポイントで行うことも可能になります。私は、こうした「おもてなしのデジタル化」こそが、現代のスポーツビジネスに不可欠な要素だと確信しています。ファンの「不便」を先回りして解決する姿勢は、ブランドへの信頼を深める最良の手段となるに違いありません。
MAツールとBI概念の融合で加速する個別アプローチ
千葉ロッテの戦略はサイト改善に留まりません。2019年シーズンには、マーケティングオートメーション(MA)と呼ばれる、個々の状況に合わせて自動で最適な情報を届ける仕組みを試験導入しました。一律のメルマガではなく、招待券を使い忘れている会員にだけリマインドを送った結果、利用率が前年比で30%以上も向上するという劇的な成果を収めています。効率的にファンのアクションを促すこの手法は、今後のスタンダードになるはずです。
加えて、2019年10月からは「お気に入り選手登録」機能もスタートしました。ここに「ビジネスインテリジェンス(BI)」、つまり蓄積された膨大なデータを分析して意思決定に役立てる概念を組み合わせることで、予告先発に合わせたチケット案内や、推し選手の限定グッズ販売といった、ファンの好みに直撃するプロモーションが展開されます。自分だけの特別な情報が届く喜びは、ファンにとって格別な体験となるでしょう。
2019年シーズンの観客動員数は約166万人と過去最高を更新しましたが、本拠地の稼働率にはまだ伸びしろがあります。広報担当者が語るように、デジタルで「余白」を埋める準備は整いました。2020年02月以降の新シーズンでは、平日の仕事帰りに寄りたい人や休日に家族で楽しみたい人など、それぞれのライフスタイルに寄り添った案内が届くようになります。データが紡ぐ新しいファンとの絆に、今後も目が離せません。
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