2019年12月4日の東京外国為替市場は、緊迫する世界情勢を映し出すかのような動きを見せています。米中両国の対立が一段と深まるとの懸念が市場を支配し、投資家の間ではリスクを避けようとする動きが急速に広がりました。その結果、世界的に信頼性の高い「低リスク通貨」とされる円に対して、強い買い注文が集まる展開となっています。
正午時点の為替レートを確認すると、ドル/円相場は1ドル=108.50円から108.51円の間で推移しており、前日と比較して59銭もの円高を記録しました。こうした急激な変動は、米国と中国という二大経済大国の貿易協議が難航することへの恐怖心がいかに強いかを如実に物語っていると言えるでしょう。
「低リスク通貨」の円が選ばれる理由と市場の攻防
なぜ世界でトラブルが起きると円が買われるのか、不思議に思う方も多いかもしれません。為替市場における「低リスク通貨(セーフヘイブン)」とは、政情不安や経済危機などの際に、価値が下がりにくいと信じられている通貨を指します。日本は経常黒字国であり、対外資産を豊富に保有しているため、有事の際の逃避先として円が選ばれる仕組みなのです。
SNS上でも「やはり困った時の円頼みか」「米中対立が長引くと日本経済への影響が心配」といった、不安と納得が入り混じった投稿が目立っています。しかし、円高が一方的に進んでいるわけではありません。海外から製品を仕入れる国内の輸入企業にとっては、円高は安く買えるチャンスとなるため、実需に基づいた円売り・ドル買いの動きも観測されました。
こうした企業によるドル買いの需要が「下支え」となり、円高の進行を一定程度食い止めているのが現在の状況です。私個人としては、円高が進むことで輸入品の価格が下がる恩恵はあるものの、製造業が中心の日本経済にとっては、輸出競争力の低下を招きかねない諸刃の剣であると感じています。
また、ユーロに対しても円は強含んでおり、ユーロ/円は1ユーロ=120.22円付近と、前日から61銭の円高となりました。市場全体が神経質になっている2019年12月4日の午後は、引き続き政治ニュースの一挙一動に注目が集まりそうです。不透明な情勢だからこそ、資産を守るための冷静な判断が求められるでしょう。
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