サインポストがストップ高!JR東日本との無人決済店舗「高輪ゲートウェイ」出店で描く未来予想図

2019年12月4日の東京株式市場において、システム開発の旗手であるサインポストの株価が急騰を遂げました。終値は前日比400円高の2,247円と、制限値幅の上限にあたるストップ高を記録しています。この熱狂の引き金となったのは、前日の2019年12月3日に発表された、JR東日本グループとの共同出資会社による無人決済店舗の新規出店ニュースです。

SNS上では「ついに実用化フェーズか」「レジ待ちのない世界がやってくる」といった期待の声が溢れ、個人投資家を中心に買い注文が殺到しました。東証1部の値上がり率ランキングで首位に躍り出ただけでなく、売買代金も前日の約21倍となる17億円に達しており、マーケットの注目がいかに一点に集中したかが伺える一日となりました。

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新駅「高輪ゲートウェイ」から始まる無人レジ革命

注目の舞台となるのは、2020年春に開業を控えたJR東日本の新駅「高輪ゲートウェイ」です。ここにはサインポストとJR東日本グループが心血を注いで開発した無人決済システムが導入されます。このシステムは、カメラやセンサーが手に取った商品を自動で認識し、レジを通さずに出口で決済が完了する「AI(人工知能)を活用した次世代の買い物体験」を実現するものです。

これまでも2017年や2018年にはJR大宮駅や赤羽駅で実証実験が繰り返されてきました。現場での試行錯誤を経て、商品認識の精度向上やシステムの安定化が図られてきた経緯があります。今回の出店は単なる実験の延長ではなく、本格的な事業化へ向けた大きな一歩と言えるでしょう。人手不足が深刻な小売業界において、この技術が持つ潜在的な価値は計り知れません。

しかし、投資の側面から見ると現状は「生みの苦しみ」の最中にあります。サインポストは無人決済システムの実用化に向けた先行投資を優先しており、2020年2月期の単独税引き損益は3億円の赤字に転落する見通しです。前年度の2億円の黒字から一転しての苦境ですが、これは将来の巨大な市場を手にするための「攻めの赤字」であると私は評価しています。

業績貢献への高いハードルと「100店舗の壁」

市場が沸き立つ一方で、専門家の視線は非常にシビアです。いちよし経済研究所の藤田要氏は、今回の出店を「最初のステップをクリアしたに過ぎない」と指摘しています。無人決済システムが企業の収益に実質的な貢献を果たすためには、少なくとも100店舗規模の展開が必要だとされており、黒字化への道のりは決して平坦ではないことが予想されるでしょう。

実際に株価指標を確認すると、PBR(株価純資産倍率)は20倍を超えており、企業の解散価値に対して株価が極めて割高な状態にあります。これは投資家の期待が先行しすぎている「過熱感」の現れとも言えます。2019年9月末の下方修正以降、株価は低迷を続けていたため、今回の急騰はあくまで一時的なリバウンドに過ぎないという冷ややかな意見も少なくありません。

個人的な見解としては、この「100店舗の壁」こそがサインポストが真のITエクセレントカンパニーになれるかどうかの試金石だと考えています。技術力は既に証明されており、あとはいかにコストを抑えて量産化できるかという「ビジネスモデルの確立」が問われています。高輪ゲートウェイでの成功が、全国の駅やコンビニへ波及する起爆剤になることを期待せずにはいられません。

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