日本の老舗家電メーカーであるパナソニックが、世界を驚かせる人事プロジェクトを2019年10月21日に発表しました。米グーグルのバイスプレジデントを務めた松岡陽子氏が、役員待遇の「フェロー」として電撃加入することが決まったのです。シリコンバレーの第一線で活躍してきた彼女の招へいは、停滞する日本の製造業に新たな風を吹き込むと期待されています。
ネット上では「ついにパナが本気を出した」「GAFAの真髄を知るリーダーがどう変えるのか楽しみ」といった期待の声が溢れ、大きな反響を呼んでいます。松岡氏は、プロテニスプレーヤーを目指して16歳で渡米したという異色の経歴の持ち主です。怪我で夢を断念した後にロボット工学の道へ進み、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得した努力の人でもあります。
彼女の才能は凄まじく、2007年には「天才賞」と称されるマッカーサー・フェローシップを受賞しました。これは、卓越した創造性を持つ個人に贈られる非常に名誉ある賞として知られています。その後も、グーグルの秘密研究部門「X」の創設メンバーや、アップルの幹部としてヘルスケア製品の開発に携わるなど、シリコンバレーの巨人たちを渡り歩いてきました。
スマートホームの先駆者が描く「つながる家電」の未来
松岡氏は直近まで、グーグル傘下の「ネスト」でCTO(最高技術責任者)を務めていました。CTOとは、企業の技術戦略を統括する責任者のことです。そこで彼女は、住人の行動パターンをAIが学習して室温を自動調整する「スマートサーモスタット」の開発を指揮しました。これは、生活を便利にするだけでなく、エネルギー消費を劇的に抑える画期的な装置です。
パナソニック入社後は、シリコンバレーの新拠点「パナソニックβ」のCEOとして、次世代の「つながる家電」の開発をリードする予定です。これは単にネットに繋がるだけでなく、購入後もソフトウェアの更新によって機能が進化し続ける「くらしアップデート」という構想の核となります。物理的な製品を売って終わりのビジネスモデルから、体験を売り続けるモデルへの転換です。
しかし、この領域はサムスン電子やGAFAといった世界の競合がひしめく激戦区でもあります。パナソニックには世界で10億人という膨大な顧客接点がありますが、その強みをどうデジタル領域で活かすかが鍵となるでしょう。外部の血を入れ、組織の壁を壊そうとする同社の挑戦は、松岡氏という「天才」の加入によって、いよいよ正念場を迎えることになりそうです。
個人的には、単なる技術導入に留まらず、松岡氏が持つ「ユーザー体験を第一に考える文化」がパナソニックの伝統と融合することを切に願っています。日本のものづくりが再び世界をリードするためには、こうした大胆な変革が不可欠ではないでしょうか。彼女が率いるシリコンバレーのチームが、私たちの暮らしをどう変えてくれるのか、今後の展開から目が離せません。
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