2019年12月4日、日本の自治体ネットワークを揺るがす大規模なシステム障害が発生しました。NTTデータの子会社である日本電子計算が提供するクラウドサービスにおいて、サーバーのハードディスクが故障したことが原因です。この影響により、東京都の中野区や練馬区、大阪府和泉市など、全国約50もの自治体で業務が停滞する事態に陥っています。
特に深刻な被害を受けている中野区では、2019年12月4日の午前11時過ぎに異変を察知しました。区が運用する40のシステムのうち、実に半数にあたる約20システムが完全にダウンしています。住民票の写しや印鑑登録証明書といった、日々の生活に欠かせない書類の発行がストップしており、窓口を訪れた市民の間には困惑が広がっているようです。
今回のトラブルの根源となった「クラウドサービス」とは、自前でサーバーを持たずにインターネット経由でコンピューター資源を利用する仕組みを指します。本来は効率的で安全なはずの技術ですが、今回のように基盤となるデータセンターの物理的な部品が壊れると、接続している全ての自治体が共倒れになるという脆弱性が浮き彫りになりました。
SNS上では、実際に窓口を訪れたユーザーから「急ぎの用事だったのに困る」「いつ直るのか分からないのが一番不安」といった悲痛な声が次々と投稿されています。一方で、中野区が公式SNSや電話、FAXを駆使して懸命に現状を伝えようとする姿勢に対しては、一部で一定の理解を示す動きも見られます。
行政サービスのデジタル化が抱える課題と今後の展望
中野区の担当者によれば、数年前にクラウド導入を進めて以来、これほどまでの規模の障害は前例がないとのことです。区役所内では電子メールや人事給与システムまでもが停止しており、職員の業務にも大きな支障が出ています。2019年12月4日午後7時の時点でも完全復旧のめどは立っておらず、現場では緊張状態が続いています。
私は今回の件を受けて、利便性を追求するあまり「バックアップ体制」や「分散管理」の重要性が軽視されていたのではないかと感じます。一つの企業の故障が50もの自治体の機能を麻痺させる現状は、あまりにリスクが集中しすぎています。今後は単一のクラウドに依存せず、複数の経路を確保する冗長性の確保が不可欠でしょう。
各自治体では、2019年12月5日の始業時間である午前8時30分までに復旧しなかった場合を想定し、代替案の策定に追われています。日本電子計算による原因分析と迅速な修理が待たれるところですが、住民の信頼を取り戻すには、技術的な復旧だけでなく、再発防止に向けた徹底的な情報公開と体制の見直しが求められるはずです。
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