2019年12月10日の国内債券市場において、私たちの経済に直結する重要な指標が大きな節目を迎えました。長期金利の代表的な目安とされる「新発10年物国債」の利回りが上昇し、一時的に0%という数値を記録したのです。これは、2019年3月以来、約9カ月ぶりの出来事であり、今年度に入ってからは初めての事態となります。
そもそも「長期金利」とは、1年を超える期間のお金を貸し借りする際に適用される金利を指し、住宅ローンの固定金利などに大きな影響を与えるものです。今回の金利上昇は、これまで日本の国債を積極的に買い支えていた海外の投資家たちが、その動きを弱めたことが主な要因と言えるでしょう。
SNS上では、このニュースに対して「ついにマイナス金利のトンネルを抜けるのか」といった驚きの声や、「住宅ローンの借り換えを急がなければならない」という切実な不安が広がっています。市場のわずかな変化が、個人の生活設計に波紋を広げている様子が伺えます。
海外投資家の動向変化と日本国債への影響
2019年10月以降、海外勢が日本国債に投資した際に得られる「上乗せ金利」が縮小傾向にありました。専門用語で「ベーシス・スワップ」などと呼ばれる取引コストの関係で、彼らにとっての投資妙味が薄れてしまったのです。その結果、中長期債を中心に需要が冷え込み、金利が押し上げられる結果となりました。
私は、今回の0%台への到達を、行き過ぎた低金利政策からの「一時的な揺り戻し」であると考えています。投資家がリターンを求めて資金を引き揚げるのは当然の摂理ですが、これによって国内の景気回復にブレーキがかからないか、慎重に見守る必要があるでしょう。
2019年11月下旬から続くこの金利上昇局面は、日本経済がデフレ脱却への道を歩んでいる証拠とも受け取れますが、一方で企業の借入コスト増大という懸念も孕んでいます。今後、日銀がどのような舵取りを見せるのか、市場参加者だけでなく私たち市民も注視すべき局面でしょう。
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