2019年12月16日、神奈川県の黒岩祐治知事は、激動の1年を象徴する「今年の漢字」として「激」という一文字を選び、その思いを晴れやかに発表しました。この言葉には、県民の安全を脅かした自然の猛威への警鐘と、スポーツがもたらした興奮、そして新しい時代の幕開けという重層的な意味が込められています。
知事がこの字を選んだ最大の理由は、2019年10月に発生し、県内各地に甚大な爪痕を残した台風19号にあります。この災害は政府によって「激甚災害(げきじんさいがい)」に指定されました。これは、地方公共団体が行う復旧事業に対し、国が通常よりも高い補助率で財政支援を行う必要があるほど、被害が極めて甚大であることを示す言葉です。
SNS上では「確かに今年は台風の被害が凄まじかった」と知事の選定に納得する声が上がる一方で、「一刻も早い復旧を願うばかりです」といった被災地への寄り添いのメッセージも多く見受けられました。まさに、県民にとって「激」という文字は、避けることのできない厳しい現実を象徴する、重みのある選択であったと言えるでしょう。
ラグビーの激突と令和への感激
しかし、この漢字には暗い側面ばかりではありません。2019年9月に開幕したラグビーワールドカップにおいて、横浜の地で繰り広げられた選手たちの「激突」が、多くの人々に勇気を与えました。世界最高峰のパワーがぶつかり合う試合展開に、スタジアムのみならず街全体が熱い熱狂に包まれたことは記憶に新しい出来事です。
さらに、5月に迎えた令和への改元に伴う「感激」も、この「激」という字に反映されています。新しい時代の始まりを祝い、日本中が希望に満ち溢れた瞬間は、まさに心揺さぶられる体験でした。このように、一つの漢字の中に苦難への克服と歓喜への情熱を共存させる知事の感性は、非常にバランスが取れていると感じます。
私自身の視点としても、この「激」という字は2019年の神奈川県を最も的確に言い表していると考えます。災害への備えという課題を突きつけられる一方で、スポーツの力が人々の心を一つにすることを確認できたからです。激しい変化の中でも、私たちが前を向いて歩み続けるための、強い決意を促す一文字になったのではないでしょうか。
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