2019年12月20日、埼玉県さいたま市に拠点を置くサイニチホールディングスとその中核企業である埼玉日産自動車は、上尾市との間で画期的な災害時支援協定を結びました。この提携は、昨今の激甚化する自然災害に対し、民間企業が持つ最先端のテクノロジーを公共の安全に役立てようとする極めて意義深い試みです。
今回の協力体制において注目すべき柱の一つは、ドローン(無人航空機)による被災状況の把握でしょう。ドローンとは、遠隔操作や自律走行が可能な小型の航空機のことで、人間が立ち入ることが困難な危険場所でも、上空から高精度なカメラで被害状況をリアルタイムに撮影できる強みを持っています。
サイニチホールディングスは2019年4月からドローン事業を本格始動させており、スクールの運営から実際の空撮業務まで幅広く展開しています。同年10月に甚大な被害をもたらした台風19号の際にも、同社は荒川周辺の状況を空撮しており、その確かな技術力と機動力はすでに実戦で証明されているといえるでしょう。
SNS上では、自治体と企業が迅速に連携する姿勢に対し、「民間の最新技術が救助や復旧の助けになるのは心強い」「ドローンの活用は今の時代に不可欠」といった、期待を寄せる多くの声が上がっています。テクノロジーが単なるビジネスの道具を超え、市民の命を守る盾となる光景は、多くの人々に安心感を与えているはずです。
電気自動車が動く蓄電池に!避難所を支えるEVの可能性
もう一つの大きな柱は、埼玉日産自動車が販売する電気自動車(EV)「日産リーフ」を活用した電力供給支援です。EVは単に電気で走る車というだけでなく、大容量のバッテリーを搭載した「移動する蓄電池」としての側面を持っており、災害による停電時には避難所などで貴重な電源となります。
実際に同社は、先日の台風被害で混乱が続いた千葉県の公民館や保育園に対し、いち早く車両を提供して電力支援を行った実績を誇ります。照明の確保やスマートフォンの充電など、ライフラインが寸断された過酷な環境下において、静かで排ガスの出ないEVからの給電は、被災者の心身の負担を大きく軽減するでしょう。
編集者の視点から見れば、こうした「機動力」と「エネルギー」を組み合わせた協定は、まさに現代における防災の理想形だと確信しています。行政の公助だけに頼るのではなく、民間が培った専門スキルを組み込むことで、想定外の事態にも柔軟に対応できる強靭なレジリエンス(復旧力)が地域に備わるからです。
2019年12月20日の締結を機に、上尾市の防災力は飛躍的に向上することが予想されます。企業が利益を追求するだけでなく、その知見を地域社会の安全へと還元するこの流れが、日本全国の自治体へと波及していくことを切に願ってやみません。
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