2019年11月、東京・渋谷に誕生した「渋谷スクランブルスクエア」内に、老舗高級スーパーの紀ノ国屋が仕掛ける新業態「Gourmand Market(グルマンマーケット) KINOKUNIYA」がオープンしました。店名に掲げられた「グルマン」とは、フランス語で「食いしん坊」や「食い道楽」を意味する言葉です。その名の通り、食へのこだわりが詰まったこの店舗は、これまでの高級路線のイメージを刷新するような、活気と発見に満ちた空間となっています。
最大の注目ポイントは、店内に併設されたカフェ&バー「グルマンステーション」です。ここでは、売り場で実際に販売されている厳選された食材を、その場で味わうことができます。特に、果物商としての歴史を持つ紀ノ国屋が誇る、最高品質の果実をふんだんに使用した「季節のフルーツパフェ(1,980円)」は、まさに至極の一品といえるでしょう。SNS上でも「スーパーのパフェとは思えないクオリティ」「渋谷散策の休憩にぴったり」と、早くも話題を呼んでいます。
敷居の高さを払拭する「体験型」スーパーの魅力
紀ノ国屋といえば、50代から60代の層を中心に絶大な信頼を誇る一方で、若い世代にとっては少し敷居が高い印象もありました。しかし、今回の新店舗では「ミックスフルーツサンドケーキ(550円)」や、流行のタピオカドリンクなど、カジュアルに楽しめるメニューが充実しています。こうした工夫によって、品質の高さを肌で感じてもらいながら、誰でも気軽に立ち寄れるオープンな雰囲気を作り出すことに成功しているのです。
店内には合計40席の休憩・飲食スペースが確保されており、2019年12月25日現在、お昼過ぎには多くの席が埋まるほどの賑わいを見せています。また、インバウンド(訪日外国人観光客)の需要を見据え、日本酒を中心に400種類以上のお酒を取り揃えているのも特徴です。注目すべきは、購入したボトルを「抜栓料(ばっせんりょう)」として1,000円支払うことで、その場で楽しめるサービスです。これは、飲食店がお酒を持ち込む客から受け取る手数料のようなもので、高級なお酒をリーズナブルに楽しむ賢い選択肢となるでしょう。
進化し続けるサービスと渋谷流の新しい買い物体験
商品のラインナップも、渋谷という立地に合わせて巧みに変化しています。例えば、30種類以上の茶葉を500円前後で試せる「茶のみ仲間」シリーズは、自分へのご褒美やオフィスへの手土産に最適です。さらに、伝統的なハード系のパンだけでなく、現代のトレンドに合わせた「ふわもち食感」の甘いパンを拡充するなど、ベーカリーコーナーも大幅にリニューアルされました。まさに「これからの紀ノ国屋」を象徴する、攻めの姿勢が感じられます。
編集者の視点から見れば、この店舗は単なる「物を売る場所」から「食の体験を提案する場所」へと見事に進化しています。2020年1月までには、購入品を自宅へ配送するサービスも開始される予定であり、重い荷物を気にせずショッピングを続けられるようになります。高級スーパーが提案する「気軽で贅沢な日常」は、忙しい現代人のライフスタイルに深く浸透していくに違いありません。渋谷の景色を眺めながら、最高級のフルーツに舌鼓を打つ時間は、何よりのリフレッシュになるはずです。
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