日本の自動車産業を牽引するマツダが、2020年1月1日付で実施する重要な人事異動を発表しました。今回の組織改編は、単なる役職の入れ替えに留まらず、次世代のクルマ作りを見据えた攻めの姿勢が色濃く反映されています。特に北米市場での経験豊富な人材を中枢に据えることで、グローバルな視点での経営スピードを加速させる狙いがあるのでしょう。
今回の発表で最も注目を集めているのが、東野信之氏の企画推進担当への就任です。東野氏はこれまで、北米マツダ(マツダノースアメリカンオペレーションズ)の副社長として、熾烈な競争が繰り広げられる米国市場の最前線で指揮を執ってきました。世界最大級の市場で培われた「売るための戦略」が、日本国内の企画部門にどのような化学反応を起こすのか期待が高まります。
続いて、企画推進の重責を担ってきた塩見洋氏は、商品ビジネス戦略企画へとスライドします。マツダが掲げる「走る歓び」を具現化する商品群を、いかにして収益性の高いビジネスモデルへと昇華させるかが、氏の新たなミッションとなるはずです。SNS上でも「技術のマツダが、ビジネス面でもさらに強固な基盤を作ろうとしている」といった、期待を寄せるファンの声が散見されます。
購買部門の体制刷新で実現する強靭なサプライチェーン構築
クルマの品質とコストを左右する心臓部ともいえる購買本部も、2020年1月1日より新体制へと移行します。渡部正友氏は購買本部の副本部長に昇格し、第2部品購買も兼任することとなりました。サプライヤーとの信頼関係を構築しつつ、効率的な部品調達を実現する手腕が問われるポジションですが、マツダらしい独自の共創関係をさらに進化させていくに違いありません。
また、第1部品購買の責任者には西井郁也氏が抜擢されました。ここでいう「購買」とは、単にパーツを買い付ける業務を指すのではありません。メーカーと部品製造会社が一体となり、最適なコストで最高の品質を実現するための「価値の最大化」を追求する専門領域です。こうした地道な部門の強化こそが、ブランド価値を支える土台となることを、マツダは熟知しているのでしょう。
編集者としての私見ですが、今回の人事は非常にバランスが取れた戦略的な布陣だと感じます。華やかな商品企画の裏側で、北米の知見を取り入れた推進力と、盤石な購買体制を同時に整備する構成は、まさに「実直なマツダ」そのものです。2020年という節目の年を、新しい血が通った組織で迎える同社の動向から、今後も目が離せません。
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