2019年12月16日現在、中東諸国は石油依存からの脱却を目指し、産業の高度化やイノベーションの促進にしのぎを削っています。中でも、ひときわ異彩を放つのがバーレーンです。国土が小さく資源も限られているからこそ、政府は金融をはじめとする知識産業の育成に並々ならぬ情熱を注いでいます。
バーレーン最大の魅力は、その圧倒的な開放性にあります。多くの業種で外資100%の市場参入を認めているだけでなく、法人税がゼロ、さらには最低資本金制度も撤廃されているのです。コスト面でも他の湾岸諸国に比べてリーズナブルであり、教育水準の高い優秀な人材が揃っている点は、中小企業にとって大きな強みとなるでしょう。
革新的なサンドボックス制度と手厚い公的支援
特筆すべきは、中東でも先駆けとなった「サンドボックス制度」の導入です。これは、新しい技術やビジネスモデルを試す際、一定の条件下で既存の規制を一時的に停止する仕組みを指します。この柔軟な法整備こそが、ITやeコマース、サイバーセキュリティ、そしてフィンテックといった最先端分野の成長を力強く支えています。
特にフィンテック分野への注力ぶりは目を見張るものがあります。専用のインキュベーション施設「バーレーン・フィンテック・ベイ」の開業に加え、約1億ドル規模のベンチャーキャピタル向け基金も設立されました。インキュベーションとは「卵を孵化させる」という意味で、起業家の卵を育てるための施設や支援環境を整えることを意味します。
SNS上では「ドバイほど派手ではないが、実利を取るならバーレーン」という声や、「法人税ゼロはスタートアップにとって生命線」といった期待の声が寄せられています。バーレーン経済評議会(EDB)や公的支援機関のタムキーンによる、事業費補助や雇用支援、メンター紹介などのサポート体制は、海外展開を夢見る日本企業にとって心強い味方です。
日本企業が狙うべき湾岸市場へのゲートウェイ
毎年ドバイで開催される大規模ICT見本市「GITEX」にも、バーレーンから多くの企業が出展し、その存在感を世界に示しています。ICTとは情報通信技術を指し、もはやビジネスの根幹を成す不可欠な要素です。バーレーンを拠点とすることは、周辺の湾岸市場全体を視野に入れた戦略的なステップになるに違いありません。
私自身の見解としても、日本のフィンテック技術が持つ繊細さと信頼性は、中東の急成長する市場で極めて高い競争力を発揮すると確信しています。ハードルの高さを感じるかもしれませんが、これほどまでに支援環境が整った国は稀です。現地公的機関の懐へ飛び込み、果敢にビジネスを拡大させるスタートアップの登場を期待せずにはいられません。
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