山形県を揺るがしている記録的な暖冬と深刻な雪不足に対して、県がかつてないスピードで動き出しました。山形県は2020年1月16日、冬のビジネスに大打撃を受けている中小企業を対象とした「記録的な暖冬・少雪に係る金融支援」を電撃発表したのです。この支援策の一環として、同日付で県庁の内部に臨時の特別金融相談窓口が設置されました。これまで自然災害などを想定していた融資制度の枠組みを広げ、歴史的な少雪も救済対象に加えるという、山形県にとっては初めての画期的な試みとなります。
SNS上でもこのニュースは大きな話題を呼んでおり、「実家の旅館がキャンセル続きで本当に困っていたから助かる」「冬の収入が命綱である除雪業者にとって、この素早い対応はありがたい」といった安堵の声が広がっています。一方で、「これから山形の冬はどうなってしまうのだろう」と、地球温暖化による環境変化を肌で感じて不安を吐露する地元の方々のリアルな書き込みも目立ちました。生活やビジネスに直結する死活問題だからこそ、ネット上でも非常に高い関心が集まっているのでしょう。
今回の融資制度では、直近1カ月の売上高が減少していることなどが条件となっており、上限5000万円までの運転資金(企業の日常的な営業活動に必要となる資金のこと)を借り入れることが可能です。窓口となる金融機関を通じて、1.6%という低金利で融資を受けることができます。吉村美栄子知事は2020年1月16日の記者会見で、一番の稼ぎ時である年末年始に雪が降らなかった異例の事態を憂慮し、本来あるべき季節の恵みがないことが地域経済に与える打撃の大きさを強調されました。
編集部としては、この県の迅速な決断を大いに支持したいと考えます。観光業や建設業は山形県の経済を支える重要な柱であり、民間の努力だけでは抗えない気候変動に対して行政が即座に手を差し伸べることは、地域の雇用を守るためにも不可欠だからです。一過性の融資にとどまらず、今後は雪に依存しすぎない新しい冬の観光スタイルの提案など、中長期的な産業のイノベーション(技術革新や新しい価値の創造)を県全体で模索していくべきタイミングが来ているのではないでしょうか。
現時点で県内にある主要なスキー場15カ所のうち、なんと6カ所が雪不足により滑走できないという異常事態が続いています。2020年1月9日には山形市にある蔵王のジャンプ台でも地面がむき出しになってしまうなど、深刻な光景が目撃されました。県の調査によると、スキー客の激減によって宿泊のキャンセルが相次ぎ、例年に比べて宿泊者が2割から3割も減ってしまった旅館もあるそうです。冬の風物詩である美しい雪景色が一日も早く戻り、地域に活気が蘇ることを願ってやみません。
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