世界中のスキーヤーから「パウダースノーの聖地」として絶大な人気を誇る北海道倶知安町が、大きな転換期を迎えています。倶知安町は2020年1月29日、今後の街づくりの指針となる「観光地マスタープラン」の検討会を開催しました。近年、海外からの投資や観光客が爆発的に増加したニセコ地区では、深刻な交通渋滞や水道インフラの不足が大きな課題となっています。そこで町は、リゾートの質を維持するために開発規制を強化する方針を打ち出しました。
今回の計画で最も注目されているのが、海外の先進的な事例を参考にした、宿泊施設のベッド数に目安を設けるという全国的にも珍しい試みです。これはスキー場のリフトが一度に運べる人数(キャパシティー)を基準に、町全体の宿泊規模をコントロールする仕組みとなっています。SNS上では「ホテルの乱立で大自然が壊されるのを防ぐ素晴らしい決断」「富裕層向けリゾートとしてのブランド価値がさらに高まりそう」といった、好意的な意見が多く寄せられました。
リゾート地としての「量」から「質」への転換を急ぐ背景には、急激な商業化によるサービス低下や景観破壊を防ぎたいという強い危機感があります。私は、この規制強化こそがニセコの美しい大自然を守り、長期的に世界中から愛され続けるリゾートであり続けるための英断であると考えます。単に建物を増やすだけの開発は、一時的な利益をもたらしても地域の魅力を損ないかねません。制限を設けることで、洗練されたラグジュアリーな空間が保たれるでしょう。
さらに、冬の風物詩とも化していた深刻な交通渋滞を解消するため、具体的なインフラ整備も始動します。東急不動産グループが運営する「ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ」に隣接する駐車場を、地域のシンボルとなるランドマーク施設へ再生する計画です。この一環として駐車場の有料化なども検討され、車の流入をコントロールする方針が示されました。将来的にはひらふ地区の中心部を再開発し、利便性の高いバスターミナルなども設置される予定です。
こうした壮大な計画を地域一体で推進するため、新たな組織の設立も決まりました。観光地を一つの企業のように戦略的に管理・マーケティングする専門組織である「DMO」や、民間事業者が一堂に会する「観光地経営会議(仮称)」が立ち上がります。2020年度から2031年度までの長期にわたり、官民が手を取り合ってプランの進捗を厳しくチェックしていく体制です。世界に誇る日本のニセコが、どのような持続可能な美空間へと進化を遂げるのか目が離せません。
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