イチビキが仕掛ける「業務用」強化戦略!老舗調味料メーカーが挑むオーダーメイド生産の勝機とは?

名古屋に拠点を置き、長年愛され続けている伝統の味「赤から」などでもお馴染みの老舗メーカー、イチビキが今、大きな転換期を迎えています。同社は2019年12月24日、業務用商品の営業体制を大幅に強化する方針を明らかにしました。現在、全売上高の約2割を占める業務用カテゴリーの比率を3割まで引き上げることで、より強固な収益基盤を構築することを目指しています。

近年の食のトレンドとして欠かせないのが、消費者の健康意識の高まりです。イチビキはこのニーズを敏感に察知し、減塩や無添加にこだわった高付加価値な商品展開に注力しています。SNS上でも「老舗が健康志向に寄り添ってくれるのは心強い」といった好意的な意見が多く、安心・安全を求める時代の空気が、同社の背中を力強く後押ししていると言えるでしょう。

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人手不足を救う「オーダーメイド」という解決策

今回の戦略の目玉は、顧客の要望に細かく応える「オーダーメイド型の受注生産」です。これは単に既製品を販売するのではなく、各食品メーカーや飲食店のこだわりに応じた独自の調味料を作る仕組みを指します。具体的には、人手不足が深刻な食品工場に対し、醤油やみりんをあらかじめ最適な割合で配合した状態で納品するサービスを展開しており、これが現場の負担軽減に繋がると高い評価を得ています。

こうした「攻めの営業」を支えるため、同社は過去2年間で業務用部門のスタッフを増強しました。さらに、従来は営業と商品開発で分かれていた部長職を兼務制に変更するという、組織改革も断行しています。組織の壁を取り払うことで、顧客の要望を即座に製品開発へとフィードバックできる体制を整えたのです。現場を知る人間が開発を指揮するメリットは、計り知れないほど大きいでしょう。

外食店向けにはレシピの共同開発チームも強化されており、飲食店側にとっては、プロの知見を借りて自社だけのオリジナルメニューを生み出せるという大きな利点があります。イチビキの中村光一郎社長は、付加価値の高いサービスを提供し続けることで、経営基盤のさらなる安定化を図ると自信をのぞかせています。伝統を守りつつも柔軟に変化するその姿勢は、これからの時代を生き抜く企業の理想像です。

編集者の視点として、この「業務用シフト」は非常に賢明な判断だと感じます。家庭用市場が飽和する中、BtoB(企業間取引)で独自のポジションを築くことは、価格競争に巻き込まれないための強力な盾となります。単なる「モノ売り」から、顧客の課題を解決する「ソリューション提供型」へと進化するイチビキの挑戦は、名古屋から全国へ、新たな食の価値を届けてくれるに違いありません。

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