ネットバンキング不正送金の闇!日本人名義の口座が狙われる理由とSNSの危険な誘惑

私たちが日常的に利用しているインターネットバンキング。スマートフォン一つで簡単に振り込みができる便利なサービスですが、その裏で深刻なサイバー犯罪が急増しているのをご存知でしょうか。ネットバンキング不正送金と呼ばれるこの犯罪は、フィッシングサイトと呼ばれる偽のログイン画面などを用いてパスワードを盗み出し、他人の預貯金を勝手に別の口座へ移して引き出すという悪質なものです。今、その送金先として、私たち日本人の口座がこれまでにないほど標的にされています。

警察庁のデータによると、2018年時点では不正送金先のなんと85%が外国人名義でした。以前は帰国を控えた留学生や技能実習生が口座を売却するケースが多発していたのです。しかし、金融機関が対策を強化したことで風向きが変わりました。セキュリティ団体の「金融ISAC」が加盟社に調査したところ、2019年10月から12月中旬に把握された不正送金のなんと8割で日本人の口座が悪用されていたことが判明したのです。急激なターゲットの変化に驚きを隠せません。

なぜ、これほどまでに日本人の口座が狙われているのでしょうか。実はみずほ銀行が2019年6月から外国人の口座開設時に在留カードの提示を求め、在留期間が3カ月未満の場合は開設を拒否するなど、各銀行が外国人口座への監視の目を光らせています。膨大な取引の中から不審な動きを見つける際、外国人の名前は目立ちやすい反面、日本人名義の口座は数が多すぎて不正の端緒を見つけるのが非常に難しいという盲点があります。そこを犯罪組織に突かれてしまったのです。

この状況に拍車をかけているのが、SNSを通じた安易な口座売買です。ツイッターなどのSNS上では「小遣い稼ぎ」「ノーリスク」といった甘い誘い文句が飛び交い、ネットバンキング登録済みの口座が最高4万円もの高値で取引されている現実があります。ネット上では「ただ口座を渡すだけで本当にお金になるの?」「絶対に怪しい」と警戒する声がある一方で、金銭的な欲求に負けて手を染めてしまう若者が後を絶たず、そのモラルの欠如に強い危機感を覚えます。

実際に2019年10月には、大阪府警が不正送金に関わった中国籍の男らを逮捕した事件で、口座を貸し出した日本人の専門学校生の少女も書類送検されました。少女は現金3万円の見返りに「貸すぐらいならいいかと思った」と供述したそうです。しかし、口座売買は立派な犯罪です。どんな理由があろうとも、犯罪組織の資金洗浄に加担する行為は絶対に許されません。「知らなかった」では済まされない重い責任があることを、私たちは強く認識すべきです。

2019年11月には、国内の不正送金被害が573件、被害額は約7億7600万円に達し、月別で過去最悪を記録しました。事態を重く見た愛知県警は2019年12月から、ツイッターの口座売買の投稿に対し、直接「犯罪である」と警告メッセージを送る全国初の取り組みを開始しています。これにはSNS上でも「警察の執念を感じる」「もっと取り締まってほしい」と多くの反響が寄せられており、抑止力として大きな期待が寄せられています。

専門家は、銀行の利便性を保ちつつも、口座開設の基準を厳しくし、名義人と実際の利用者が一致しているかを厳格に確認する対策が不可欠だと指摘しています。デジタル社会の便利さを享受する一方で、私たちは常にサイバー犯罪の危険と隣り合わせにいます。ネット上の「楽に稼げる」という甘い言葉には絶対に耳を貸さず、自身の口座という大切な信用を犯罪者に売り渡すような真似は、決して行ってはなりません。

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