日本のインフラを支える建設資材の王様、H形鋼の動きに大きな変化が訪れました。日本製鉄の製品を取り扱う流通業者の組織「ときわ会」が、2019年06月末時点の在庫状況を公表しています。そのデータによりますと、在庫量は22万200トンと、前月から2.8%の減少に転じました。このマイナス傾向は、実に7カ月ぶりの出来事であり、市場が新たな局面へ向かっていることを示唆しているでしょう。
これまで積み上がっていた在庫がなぜ減少したのか、その背景には問屋側の慎重な姿勢があります。2019年06月の入庫量は、前月より2.4%少ない7万1800トンに留まりました。将来の需要を見極めるべく、流通業者が仕入れの蛇口を絞った形です。一方で、出荷を示す出庫量は、営業日数の増加も手伝って前月比6.1%増の7万8100トンと力強く伸びています。入る分が減り、出る分が増えたことで、ようやく在庫の山が崩れ始めました。
SNS上でも、この統計結果には高い関心が寄せられています。「ようやく在庫調整が進んできたか」「工事現場の動きが活発になってきた証拠だ」といった、実需の回復を期待する声が目立ちます。投資家や業界関係者の間では、需給が引き締まることによる価格の下支えを歓迎するムードが広がっており、市場の停滞感を打破するポジティブなニュースとして受け止められているようです。
建設業界を悩ませた「ハイテンボルト不足」に光!秋の需要期に向けた展望
ここで専門用語を整理しておきましょう。建設現場で今、最も注目されているのが「ハイテンション(高力)ボルト」です。これは特殊な熱処理を施した、極めて引張強度の高いボルトのことで、H形鋼同士を接合するために欠かせない部材です。これまでは、このボルトの供給が追いつかず、全国各地で工期が遅れるという異常事態が続いていました。しかし、日本製鉄によれば、2019年07月の時点でこの混乱は「最悪期を脱した」との認識です。
現在、東京五輪に関連する大規模な建設需要は一区切りついた状態にあります。しかし、秋の本格的な需要期を目前に控え、市場の熱気は再び高まっていくはずです。鋼材価格の目安となる「店売り価格」については、2019年07月契約分も据え置きとなりましたが、楽観はできません。原材料費や物流コストの増大は続いており、メーカー側はこれらを製品価格へ転嫁することを真剣に検討しています。
私個人の見解としては、今回の在庫減少は単なる数値の変化以上に、業界の健全化に向けた第一歩だと確信しています。需給バランスの目安とされる20万トンをまだ上回っているものの、ボルト不足というボトルネックが解消されれば、建設プロジェクトは再び加速するでしょう。資材の安定供給と価格の妥当性をいかに維持するか。日本の建設市場が真の活気を取り戻せるかどうかは、これからの数カ月の動向が鍵を握るに違いありません。
コメント