2019年07月18日、日本船舶輸出組合から日本の造船業界にとって明るい兆しを感じさせる最新の統計データが発表されました。6月における輸出船の契約実績、つまり海外から受注した仕事の量は、前年の同じ時期と比較して33%もアップし、合計で71万総トンに達しています。このポジティブな流れは、4月から数えて実に3カ月連続の増加を記録しており、造船現場の活気が徐々に高まっている様子が伺えるでしょう。
この背景には、海運業界を取り巻く大きな環境変化が影響しています。2020年01月から国際的に「排ガス規制(SOx規制)」が本格的にスタートするため、古い船を売却して環境に優しい新しい船に買い替える「更新需要」が一部の船主の間で活発化しているのです。ここで言う総トン数とは、船全体の容積を表す単位のことで、受注の規模を測る重要な指標ですが、規制対応という追い風が数字を力強く押し上げた形となりました。
環境規制がもたらすチャンスと、近隣諸国との熾烈なシェア争い
SNS上でもこのニュースは注目を集めており、「日本の技術力が環境対策で評価されるのは嬉しい」といった期待の声が上がる一方で、「受注量は増えても利益は確保できているのか」と心配する声も散見されます。排ガス規制は、燃料に含まれる硫黄酸化物の排出を抑える厳しいルールであり、これをクリアする船の建造には高い技術力が求められるでしょう。まさに、エコな船づくりを得意とする日本メーカーにとって、絶好の商機が巡ってきている状況です。
しかし、手放しで喜んでばかりはいられない厳しい現実も横たわっています。お隣の韓国や中国の造船メーカーが低価格を武器に攻勢をかけており、日本企業は極めて激しい価格競争の渦中に立たされているのです。私は、単なる受注量の拡大だけを目指すのではなく、日本が誇る燃費性能や故障の少なさをいかに付加価値として訴求できるかが、今後の生き残りの鍵を握ると考えています。技術の「日本ブランド」を再確立する正念場に、私たちは立ち会っているのかもしれません。
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