高級車メーカーが手を組んだ!BMWとジャガー・ランドローバーが挑む「EV中核部品」共同開発で加速する次世代自動車競争の裏側

2019年6月5日、自動車業界に衝撃的なニュースが飛び込んできました。ドイツの高級車メーカーであるBMWと、イギリスの名門ブランド、ジャガー・ランドローバー(JLR)が、電気自動車(EV)の中核部品を共同で開発すると発表したのです。この提携は、2020年以降に市場へ投入される新型車から順次、その成果が反映されていく見込みで、次世代の自動車開発における一つの大きな転換点となるでしょう。

電動ユニットとは、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)といった電動車の心臓部ともいえるシステムです。具体的には、車を動かすためのモーター、速度を調整する変速機、そして電力の流れを精密にコントロールする電気制御部品などから構成されており、バッテリー(電池)と並び、車両の性能と効率を決定づける極めて重要なパーツだとご理解ください。この中核部品を共通化し、部材の共同調達を行うことによって、部品単価を大幅に引き下げ、結果としてEVの市場競争力、つまり価格面での魅力を高めることが最大の狙いなのです。

高級車市場で激しく競い合う両社が、なぜ手を組むことになったのでしょうか。それは、自動運転や電動化といった次世代技術の開発競争が激化する中で、研究開発費が天文学的な規模にまで膨らんでいるという、自動車メーカー共通の差し迫った課題があるからにほかなりません。開発コストをいかに効率化できるかが、未来の自動車産業で生き残るための鍵となっているのです。開発拠点は、BMWの本社があるドイツのミュンヘンに置かれ、BMWがすでに開発を進めている次世代ユニットをベースに共同開発を進める計画です。

私見を述べさせていただければ、この提携は、「競争」から「協調」へとシフトする自動車業界の潮流を象徴しているといえるでしょう。特に電動化は、自動車の製造プロセスを一変させる大変革であり、伝統的な高級車メーカーといえども、単独での巨額な投資を続けるのは非現実的になりつつあるのではないでしょうか。今回開発されたモーターなどは、最終的に両社それぞれの工場で生産されることになっており、独自のブランドアイデンティティを保ちつつも、見えない部分で効率化を徹底するという、非常に賢明な戦略だと考えられます。

両社のコスト削減への取り組みは、待ったなしの状況です。例えばBMWは、2019年から2022年の間に120億ユーロ(約1兆4600億円)という大規模なコスト削減計画を実行中です。また、自動運転技術に関しても、2019年2月には同じくドイツのダイムラーとの共同開発を発表しており、積極的に他社との連携を進めていることがわかります。一方のJLRも、2019年1月に4500人の人員削減を含むリストラ策を発表し、2020年3月期までに25億ポンド(約3400億円)のコスト削減を目指すなど、厳しい経営環境に直面しているのです。

この動きは、欧米の自動車業界全体で見られる傾向です。実際に、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がフランスのルノーに経営統合を提案した背景にも、次世代技術開発にかかる投資の効率化という切実な理由があったことは明らかでしょう。SNS上でもこのニュースは大きな反響を呼んでおり、「高級車メーカー同士が手を組むなんて、よほど開発費が大変なのだろう」「共通部品が増えると、逆に車の個性はどうなるのか?」といった驚きと懸念の声が多数見受けられました。しかし、私は、共通基盤を持ちつつ、デザインやソフトウェアで差別化を図るのが今後のトレンドになるだろうと予測しています。

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