中国経済の屋台骨を揺るがしかねない事態が進行しています。2019年6月30日時点の統計によると、中国の銀行業界が抱える不良債権残高は2兆2352億元に達し、わずか半年前の2018年12月末と比較して約1割も膨れ上がりました。これは、返済が滞っている「不良債権」に、将来的に回収が危ぶまれる「要注意先債権」を加えると、日本円にして約90兆円という天文学的な数字にまで迫る勢いです。
この「不良債権」とは、借り手が経営難に陥るなどして、利息や元本の回収が困難になった貸出金を指します。SNS上では「ついにバブル崩壊のカウントダウンが始まったのではないか」といった不安の声や、「実態は公表数値以上に深刻なはずだ」という懐疑的な意見が相次いで投稿されています。特に地方経済を支える中堅・中小企業向け融資が焦げ付いており、歯止めのきかない状況が景気減速の大きな火種となっているのは間違いありません。
地方銀行を襲う深刻な経営難と公的管理の衝撃
金融機関の間でも格差が鮮明になっています。経営基盤の強固な大手銀行は、貸出金利と預金金利の差である「利ざや」を十分に確保できているため、損失が出ても吸収する余裕があるでしょう。しかし、基盤の弱い地方の中堅・中小銀行はそうはいきません。長引く地域経済の低迷によって不良債権の処理が追いつかず、2019年5月には内モンゴル自治区を拠点とする包商銀行が政府の公的管理下に置かれるという、異例の事態まで発生しました。
「公的な管理下に置かれる」ということは、自力での経営継続が不可能になり、政府が強制的に介入したことを意味します。このニュースが流れた際、ネット上では「銀行が倒産する時代が来た」と大きな衝撃が走りました。私は、この状況を非常に危ういバランスの上にあると考えています。これまで中国政府は強引な介入で市場を安定させてきましたが、地方金融システムに潜むリスクが一度に噴出すれば、その影響は中国国内に留まらず世界経済に波及するはずです。
2019年8月31日現在、中国当局は景気の下支えと金融システムの安定化という難しい舵取りを迫られています。しかし、中堅・中小銀行が抱える爆弾は刻一刻と大きくなっており、根本的な構造改革なしにはこの苦境を脱することは難しいでしょう。金融不安が一般市民の生活を直撃する前に、どこまで抜本的な対策を講じられるのかが、今後の中国経済の命運を分ける鍵となりそうです。
コメント