かつてデジカメ市場を席巻した技術が、今度は人々の命を救う最前線へと舞台を移そうとしています。2019年11月08日現在、カシオ計算機をはじめとする国内精密機器メーカーが、その高度な画像処理技術を武器に医療分野への本格参入を加速させています。特に期待が集まっているのが、2030年には国内だけで6140億円という巨大な市場に成長すると予測されている「再生医療」の関連分野でしょう。
再生医療とは、病気や怪我で失われた体の一部の機能を、細胞や組織を培養して修復・再生させる画期的な治療法を指します。カシオが長年培ってきた「肌を美しく見せる」といったデジカメの画像補正技術は、実は細胞の微妙な変化を捉え、診断の精度を高めるために極めて有効なツールとなります。この技術転用は、斜陽産業と言われることもあるカメラ技術に新たな息吹を吹き込む、非常に夢のある展開ではないでしょうか。
立ちはだかる「医療規制」の壁と海外大手との熾烈なシェア争い
しかし、輝かしい展望の裏には解決すべき重い課題も横たわっています。医療分野は人命に直結するため、一般的な家電製品とは比較にならないほど厳格な「制度や規制」が存在するからです。厚生労働省による承認プロセスなど、医療特有のルールをいかに熟知し、迅速に対応できるかが参入の成否を分けるでしょう。SNS上でも「技術は素晴らしいが、行政の壁を越えるのが大変そう」といった、制度面への懸念を示す声が聞かれます。
また、世界市場を見渡すと、日本勢は「診断機器」には強みを持つものの、手術や投薬に直接関わる「治療機器」の分野では、欧米の巨大メーカーが圧倒的なシェアを握っているのが現状です。この強固な牙城をいかに崩し、日本独自の強みを食い込ませるかが、2030年に向けた勝ち筋となります。ネットでは「日本のものづくりが医療で復活してほしい」という応援メッセージが数多く寄せられており、国民の期待はかつてないほど高まっている状況にあります。
編集者としての私見ですが、技術の転用は単なるビジネスチャンスに留まらず、社会課題の解決に貢献する「究極のイノベーション」だと確信しています。カシオのような企業が持つクリエイティブな発想が医療の現場に持ち込まれることで、これまで発見できなかった病の予兆が見つかるようになるかもしれません。規制を「壁」と捉えるのではなく、高い信頼を担保するための「指標」と捉え、官民一体となって世界のトップを目指してほしいと願っています。
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