現場作業を支えるプロフェッショナルの味方として知られるワークマンが、そのイメージを鮮やかに塗り替えようとしています。2019年11月14日、同社は創業の地である群馬県において、アウトドアやスポーツ衣料に特化した新型店「ワークマンプラス」の展開を劇的に加速させると発表しました。古くからのファンが多い地元だからこそ、あえて「作業着の店」という固定観念を打破し、一般消費者に向けた新しいライフスタイルを提案する狙いがあるようです。
注目の中心となるのは、2019年11月20日に伊勢崎市で産声を上げる「ワークマンプラス伊勢崎宮子店」です。老朽化した路面店を約6,000万円もの巨費を投じて全面改装したこの店舗は、まさにブランドの覚悟を象徴する旗艦店といえるでしょう。特筆すべきはその広さで、売り場面積は約400平方メートルに及びます。ショッピングセンター内の店舗と比較しても2倍近いスケールを誇り、年間3億円の売上を見込む大型拠点となります。
店内には約1,700品目ものアイテムが並びますが、そのうち3割ほどが一般消費者向けのアウトドアやスポーツウェアで構成されています。これまでのプロ向け主力商品に加えて、一般の方々が日常的に使えるラインナップを大幅に拡充しました。SNS上では「#ワークマン女子」というハッシュタグが流行するなど、安価で機能性の高い防寒衣料が女性の間で空前のブームとなっており、今回の売り場拡大はまさに時代のニーズに応えた形といえます。
時間帯でターゲットを変える!ロードサイド店舗の新たな戦略
今回の改革は1店舗に留まりません。同じ2019年11月20日には、伊勢崎市内の昭和店と山王店も「ワークマンプラス」へと生まれ変わります。ここでは、職人向けのツールと一般向けのお洒落なウェアの売り場を明確に分ける「二刀流」のレイアウトが採用されました。平日の朝夕は現場へ向かうプロの職人を支え、日中や休日は家族連れやレジャー客を迎え入れるという、時間帯によって異なる顔を持つ店舗運営が、ロードサイド店の新たなスタンダードとなるでしょう。
土屋哲雄専務は、群馬県について「いまだ作業着店としてのイメージが根強い」と冷静に分析しています。1980年頃に1号店をオープンした思い出の地だからこそ、ブランドの進化を証明したいという熱意が伝わってきます。2019年10月末時点で138店舗まで拡大したワークマンプラスは、2020年3月末には169店舗に達する計画です。さらに2020年3月には前橋市の南インターチェンジ付近にも新店が予定されており、群馬の景色は一変しそうです。
個人的な視点ですが、ワークマンのこの転換は、単なる衣料品販売を超えた「価値の再定義」であると感じます。プロが認める圧倒的な耐久性や防寒性を、デザインという魔法で一般向けに解りやすく翻訳したことが成功の鍵でしょう。かつては入りにくさを感じていた層が、今や期待に胸を膨らませて店に足を運んでいます。創業の地から始まるこの挑戦は、機能美とファッションが融合した新しい消費文化を全国へ広める起爆剤になるに違いありません。
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