柏崎刈羽原発の再稼働へ向けた対話。東電が「全戸訪問」を12月8日まで延長し、住民の声を徹底追求

東京電力ホールディングスは、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所が位置する柏崎市と刈羽村において、現在実施している「全戸訪問」の期間を当初の予定から延長することを決定しました。2019年11月14日の発表によれば、11月20日に終了するはずだった計画を2019年12月8日まで引き延ばす方針です。この決定は、これまでの訪問で不在だった世帯を改めて訪ねることで、地域住民の皆さまが抱く原発への不安や期待をより深く汲み取ることを目的としています。

今回の活動は2019年8月28日にスタートし、柏崎刈羽原発に勤務する全所員を含む約1200人という大規模な体制で進められています。対象となるのは市内と村内の約4万1000軒におよび、まさに地域一丸となった対話の試みと言えるでしょう。2019年11月6日の時点ですでに約3万3000軒への訪問を完了しており、空き家を除いた世帯のうち、およそ半数の方々と直接お会いして対話が実現している状況です。

全戸訪問とは、電力会社の職員が地域の一軒一軒を直接訪ね、発電所の安全性や今後の計画について説明しながら、住民の生の声を聴き取る地道な広報活動を指します。SNS上では「わざわざ家まで来てくれるのは丁寧だ」という肯定的な意見がある一方で、「もっと具体的な安全対策を知りたい」といった切実な要望も飛び交っています。こうしたデジタル上の反響も、東電側が訪問期間を延長してまで対話を重視する背景にあるのかもしれません。

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住民の信頼を勝ち取れるか。設楽所長が掲げる高い目標と対話の質

柏崎刈羽原発の設楽親所長は、2019年11月14日に行われた定例記者会見の中で、昨年の実績についても言及されました。前年の訪問では約6割の世帯から直接お話を聞くことができたという成果を踏まえ、今年も同等の水準を目指すと力強く語っています。単に資料をポスティングするだけでなく、顔を合わせて言葉を交わすことでしか得られない「地域の空気感」を、東電側がいかに重要視しているかが伺える発言ではないでしょうか。

原発の再稼働を巡る議論において、事業者が一方的に情報を発信するのではなく、反対意見も含めて住民の考えを真摯に受け止める姿勢は極めて重要です。この期間延長という異例の措置は、信頼回復に向けた東電の執念の表れとも捉えられます。しかし、訪問することがゴールではなく、そこで得た厳しい意見を実際の運営にどう反映させるかこそが、今後の信頼構築の鍵を握るはずです。一人でも多くの声が、安全なエネルギー社会の構築に繋がることを期待します。

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