米景気に暗雲?2019年12月3日の為替相場で「安全資産」の円が買われた理由と今後の展望

2019年12月3日の東京外国為替市場では、円相場が上昇に転じる展開となりました。この動きの背景にあるのは、アメリカから届いた経済指標が市場の期待を下回ったことです。大国アメリカの景気の先行きに対して不透明感が漂った結果、投資家の間ではリスクを避けようとする心理が強まりました。こうした局面で、世界的に「低リスク通貨」として信頼の厚い円に買いが集まるのは、市場の定石とも言える反応でしょう。

具体的に12時時点のレートを確認すると、ドル/円は1ドル=109円15銭から16銭近辺で推移しており、前日と比較して44銭もの円高が進みました。一方で、ユーロに対しては120円85銭から86銭と、わずかに12銭の円安に振れるなど、通貨ペアによって異なる表情を見せています。ユーロ/ドルにおいてもユーロ高が進んでおり、ドルが独歩安のような形で売られている状況が、現在のマーケットの緊張感を如実に物語っているようです。

為替市場でよく耳にする「低リスク通貨」とは、景気後退や政情不安が起きた際に、比較的価値が下がりにくいとされる通貨を指します。日本は世界最大の対外純資産国であるため、有事の際には「とりあえず円を買っておこう」という動きが出やすいのです。今回の円買いも、まさにアメリカ経済の変調を敏感に察知したマネーが、安全な避難先を求めて日本円に流れ込んだ結果と言えるでしょう。

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輸入企業の動きとSNSの反応から読み解く相場の本質

もっとも、円の上昇が際限なく続いたわけではありません。国内の輸入企業による「円売り・ドル買い」の注文が一定数入ったことで、円高の勢いはある程度抑えられました。輸入企業にとっては、海外への支払い準備としてドルを確保する必要があるため、少しでも円高に振れたタイミングは絶好の調達チャンスとなります。実需筋と呼ばれる彼らの動きが、急激な変動に対するクッションの役割を果たしているのは興味深い点です。

SNS上では、今回のドル安円高を受けて「米景気後退の足音が聞こえてきた」といった警戒の声が多く上がっています。特に個人投資家からは「110円の壁が厚い」といった投稿や、製造業の指標悪化を懸念するツイートが目立っており、市場参加者の視線は一気にアメリカの経済動向へと注がれているようです。誰もが次のトレンドを探ろうと、スマートフォンを片手に神経を尖らせている様子が目に浮かびます。

私自身の見解としては、今回のような一時的な経済指標の悪化だけで、すぐに本格的な不況が来ると断定するのは早計だと考えています。しかし、為替は心理戦の側面が強いため、一度「ドル安」のムードが醸成されると、しばらくは円が買われやすい地合いが続くかもしれません。2019年12月3日現在の不安定な空気感の中では、目先の利益を追うよりも、まずは資産を守る冷静な判断が求められる局面ではないでしょうか。

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