東京の都市力は世界3位を死守!2020年五輪を前に見えた観光の躍進と経済・アクセスの深刻な課題とは?

森記念財団都市戦略研究所が2019年11月19日に発表した「世界の都市総合力ランキング2019」において、日本の首都・東京が4年連続で世界第3位に輝きました。ロンドン、ニューヨークという世界二大巨頭に続くポジションを維持したことは喜ばしいニュースです。しかし、詳細を見ると手放しでは喜べない実態が浮かび上がっています。

SNS上では「東京が3位なのは誇らしい」という声がある一方で、「ニューヨークとの差が広がっているのが気になる」「パリの追い上げが凄まじい」といった危機感を募らせる意見も散見されます。東京2020オリンピック・パラリンピックを目前に控え、東京は今、都市としての真価を問われる極めて重要な分岐点に立たされていると言えるでしょう。

スポンサーリンク

観光と環境で高評価!進化する都市・東京の光

今回の調査で東京の追い風となったのは、「文化・交流」と「環境」の分野です。特に観光面では、訪日外国人の急増に対応したビジネスホテルの増設が功を奏し、受け入れ態勢が整っていると高く評価されました。二酸化炭素の排出を実質ゼロにする「ゼロエミッション」戦略を掲げるなど、環境への先進的な取り組みもスコアを押し上げています。

しかし、ここで満足してはいけません。文化面では、ロンドンに比べて高級ホテルの数が4分の1にとどまるなど、富裕層向けのサービス不足が指摘されています。また、夜間のエンターテインメント、いわゆる「ナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)」の選択肢が乏しい点も、世界トップクラスの都市を目指す上での大きな壁となっています。

北京に抜かれた経済分野…突きつけられた「起業」と「人材」の壁

最も深刻なのは「経済」分野の地盤沈下です。2019年のランキングでは、ついに中国・北京に追い抜かれ4位に転落してしまいました。GDP(国内総生産)の成長率が鈍化しているだけでなく、スタートアップと呼ばれる「革新的な技術で急成長を目指す新興企業」が育つ土壌が、他の主要都市に比べて著しく不足しているのが現状です。

竹中平蔵所長は、日本の所得税率の高さが「高度専門人材」の海外流出を招いていると警鐘を鳴らしています。優秀な頭脳がシンガポールなどへ流れてしまう現状は、都市の活力を削ぐ死活問題です。東京都も丸の内に創業支援施設を設けるなど対策に乗り出していますが、世界との競争に打ち勝つには、より大胆なビジネス環境の整備が不可欠でしょう。

羽田の機能強化が鍵!2020年3月の新ルート運用への期待

「交通・アクセス」分野では、羽田空港の国際化が依然として課題です。直行便の数や都心へのアクセス性において、香港などのアジア主要都市に後れを取っています。この状況を打破するため、2020年3月末からは羽田空港で新飛行ルートの運用が開始される予定です。これにより国際線の増便が見込まれ、東京の玄関口としての機能は大きく向上するはずです。

私は、東京が世界2位のニューヨークを追撃するには、単なるインフラ整備だけでなく「言葉の壁」や「行政手続きの煩雑さ」といったソフト面の改善が急務だと考えます。2024年に五輪開催を控える4位パリの猛追をかわし、東京が真のグローバルシティとして君臨し続けられるか。今こそ、官民一体となった「都市のアップデート」が求められています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました