2019年11月15日、国際情勢のスペシャリストたちが集結した「富士山会合」にて、緊迫するアジアの未来を占う熱い議論が交わされました。司会を務める東京大学の松田康博教授を筆頭に、北朝鮮の核問題や泥沼化する香港の情勢、そして目前に迫る台湾総統選など、今まさに世界が注目するトピックが網羅されています。SNS上でも「自由の砦である香港はどうなるのか」「日本の安全保障に直結する議論だ」と、多くのユーザーが動向を注視しており、その関心はかつてないほど高まっているのです。
北朝鮮を巡る交渉について、CSISのビクター・チャ氏は、トランプ大統領による異例のトップダウン外交に着目しています。首脳同士が直接対話することで膠着状態を打破しようとするこの試みは、過去の外交慣例を覆す初めての挑戦と言えるでしょう。しかし、防衛大学校の国分良成校長は、中距離ミサイルの脅威が依然として残る現状に警鐘を鳴らしています。中国による経済制裁の形骸化が進み、北朝鮮の経済状況が改善しているという指摘は、日本にとって見過ごせない安全保障上のリスクを浮き彫りにしているのではないでしょうか。
香港の叫びと「一国二制度」に訪れた最大の試練
現在、最も深刻な局面を迎えているのが、混迷を極める香港情勢です。前在香港・マカオ米総領事のカート・トン氏は、大規模デモの引き金となった「逃亡犯条例」改正案への反発が、香港市民に潜在していた不安を一気に爆発させたと分析しています。一国二制度とは、中国という一つの国家の中に、社会主義と資本主義の異なる二つの仕組みを共存させる画期的な約束でした。しかし、この高度な自治が脅かされている現状に対し、国分氏は「一国二制度の挫折」という極めて厳しい言葉で、現在の混乱を表現しています。
香港では毎年7000件ものデモが発生していますが、今回の運動の主役が20歳代の若者たちである事実は、未来への絶望と希望が入り混じった切実な意思表示に他なりません。私自身の見解としても、一度失われた自由への信頼を取り戻すことは容易ではなく、武力介入という選択肢は香港の国際金融センターとしての命脈を絶つことと同義であると考えます。国際社会が香港を単なる中国の一部としてではなく、独自の価値を持つ主体として扱い続ける姿勢こそが、事態を沈静化させる唯一の処方箋になるはずです。
さらに、この香港の熱狂は2020年1月に控える台湾総統選にも劇的な影響を及ぼしています。リチャード・ブッシュ氏は、現職の蔡英文氏が香港の状況を追い風に支持を広げていると指摘しました。中国からの圧力に立ち向かう姿勢が、民主主義を守ろうとする有権者の共感を呼んでいるのでしょう。アジアの平和は、こうした複雑なパズルのピースがどう組み合わさるかにかかっています。私たちは今、歴史の転換点に立ち会っていると言っても過言ではありません。
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