日本のファッション界を長年牽引してきた老舗アパレルメーカーの三陽商会において、大きな組織の若返りと変革を予感させる重要な人事異動が発表されました。2020年1月1日付で、新たなトップとして中山雅之氏が社長兼社長執行役員に就任することが決定したのです。これまで取締役兼常務執行役員として手腕を振るってきた中山氏ですが、今回は経営の舵取りを行うだけでなく、企業の未来を左右する極めて重要な2つの部門のトップも同時に兼任することになりました。
中山新社長が率いることになったのは、会社の基盤を支える「経営統轄本部」と、現代のビジネスにおいて最重要課題とも言える「デジタル戦略本部」です。さらに「人事総務本部」のトップにも就任し、経営・IT・組織の3軸を一本化する体制が整いました。また、同日付で人事総務本部の副本部長には古川剛氏が就任し、人財育成や組織改革の現場を強力にサポートしていく布陣となっています。この異例とも言える集中型の新体制からは、同社の並々ならぬ覚悟が伝わってきます。
ここで注目したい専門用語が「デジタル戦略」です。これは単に社内のパソコンを新しくするインフラ整備のことではありません。アパレル業界におけるデジタル戦略とは、インターネット通販(ECサイト)の利便性を飛躍的に高めたり、AIを活用して顧客の好みを分析し、無駄のない生産体制を構築したりする一連のデータ活用を指します。SNSを中心としたオンライン上での情報発信が購買行動を大きく左右する現代において、この分野の強化は企業の生死を分ける分岐点と言えるでしょう。
このニュースに対し、SNSなどのインターネット上では多くのユーザーが反応を示しています。「老舗の三陽商会がデジタル戦略に本腰を入れるのは本当に楽しみ」「経営トップ自らがIT分野を率いるのはスピード感がありそう」といった、デジタル化への舵取りを好意的に捉える声が目立ちました。その一方で、「バーバリーのライセンスを失って以降、苦しい戦いが続いているだけに、今回の人事が起死回生の一手になるか注目したい」という、今後の動向を冷静に見守る声も寄せられています。
私個人の意見として、今回の社長就任と兼任体制は、非常に理にかなった攻めの選択であると高く評価しています。特に、伝統的なアパレル企業ほど、古い慣習や実店舗へのこだわりからデジタルへの移行が遅れがちになる傾向が否めません。新社長自らがデジタルと人事のトップを兼ねることで、社内の抵抗を減らし、迅速な意思決定が可能になるはずです。古き良き伝統を守りつつ、最新技術を取り入れることで、同社が再び輝きを取り戻す姿を期待せずにはいられません。
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