子どもたちの未来を大きく変える可能性を秘めた新学習指導要領が、いよいよ2020年度から全面実施されます。その目玉として大きな注目を集めているのが、小学校での「プログラミング教育」の必修化です。論理的思考力を養うための新たな挑戦が始まろうとしている一方で、現場の受け入れ態勢にはいまだ無視できない課題が残されていることが明らかになりました。
文部科学省が実施した最新の調査によると、2019年11月時点の状況として、全体の6.5%に相当する114の市町村において、2019年度中にすべての公立小学校へ対応可能な教員を配置できない見通しであることが判明したのです。必修化のスタートを目前に控えながらも、最低限の土台すら整っていないという厳しい実態が浮き彫りになりました。
そもそもプログラミング教育とは、単にコンピューターの言語やコードの書き方を覚える作業ではありません。自分が意図した処理を機械に行わせるために、どのような命令をどの順番で組み合わせれば良いかを論理的に考える力、すなわち「プログラミング的思考」を育むことが本来の目的です。学校現場での主体性を尊重するため、具体的な学習方法や導入する学年については、各学校の裁量に委ねられています。
具体的には、小学校5年生の算数で図形を描く授業や、6年生の理科で電気の効率的な活用を学ぶ時間などに組み込まれるケースが多いと予想されています。SNS上では「これからの時代に必須のスキルだから楽しみ」と期待を寄せる声が上がっています。その一方で「ただでさえ忙しい先生たちの負担が増えて、授業の質が落ちてしまわないか心配」といった不安や戸惑いの声も数多く見られました。
地域格差と環境整備の壁!文科省が打ち出す迅速な支援策とは
調査対象となった全国1746の教育委員会のうち、すでに全校で1人以上の教員が模擬授業や研修を完了している自治体は73.5%に達しています。2019年度中に体制が整う予定の地域を合わせれば、全体の93.5%にのぼるため、多くの現場では着実に準備が進んでいると言えるでしょう。しかし、残りの6.5%では一部の学校や全校で体制が未整備のままとなっています。
このように遅れが目立つ地域は町立や村立の学校に多く、教育委員会の規模が小さいために専門の担当者を配置できないといった組織的な課題が背景にあるようです。さらに、パソコンの台数が足りないことや、インターネット環境をはじめとするハード面の整備が追いつかず、必要なソフトウェアすら起動できないという深刻なインフラ不足に悩む学校も存在します。
一方で、すでに準備を終えたと答えた学校の間でも、教育の内容やその充実度には天と地ほどの格差が生じています。すでに低学年から段階的な授業を実践している先進的な学校がある反面、教員が個人レベルで教材を恐る恐る試している段階に留まる学校もあり、子どもたちが受けられる教育の質が地域や学校によって不平等になってしまうリスクは否定できません。
この事態を重く見た文部科学省は、準備が遅れている自治体へ早急なヒアリングを行い、個別の支援に乗り出す方針を固めました。先進校の優れた授業案を全国へ広く周知するほか、教育委員会の担当者を対象にしたセミナーを開催するなど、教育の均一化へ向けて動きを加速させています。
誰一人取り残さない教育体制の構築は急務であり、国は単なる方針の提示にとどまらず、予算の確保や外部の専門人材を派遣するような、より具体的で手厚いサポートを現場へ注ぐべきだと感じます。新時代の学びがすべての子どもたちにとって実りあるものになるよう、社会全体で温かく、かつ真剣に見守っていく必要があるでしょう。
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