長期低迷の消費者心理、4年7カ月ぶり低水準に:消費増税前の不安が景気の足かせか

2019年7月1日、内閣府が公表した6月の消費動向調査の結果は、日本経済の内需の柱である個人消費に暗雲を投げかけるものとなりました。家計の消費心理を示す「消費者態度指数」(2人以上の世帯、季節調整済み)は、前月と比較して0.7ポイント下落し、38.7を記録しています。これは、なんと9カ月連続での悪化であり、水準としては2014年11月以来、実に4年7カ月ぶりの低さになったのです。この長期的な消費者マインドの冷え込みは、今後の景気動向にとって大きな懸念材料となるでしょう。

消費者心理の冷え込みの背景には、主に二つの要因が指摘されています。一つは、世界経済の成長を左右する米中貿易摩擦の激化に伴う、先行きの不透明感です。もう一つは、同年秋に予定されている消費税率の引き上げ、いわゆる消費増税が目前に迫っていることへの不安が挙げられます。内閣府も、消費者心理の現状を示す基調判断を「弱まっている」で据え置くこととなりました。指数を構成する4つの指標のうち、「暮らし向き」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の3項目で低下が見られ、将来の家計に対する警戒感が強まっている様子が窺えます。

ただし、消費に関する全ての統計が同じ傾向を示しているわけではありません。例えば、総務省の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は、物価変動の影響を除いた実質ベースで、2019年4月まで5カ月連続で前年の水準を上回っているというデータも存在します。実質ベースとは、物価の変動による影響を取り除いて、実際に購入されたモノやサービスの量で比較できるようにした値のことです。政府は、公式な景気認識を示す月例経済報告でも、個人消費については「持ち直している」という見解を維持している状況です。

しかし、SNS上では今回の消費者態度指数の結果に対して、「やっぱり増税前に買い控えが始まるのでは」「景気の良さを実感できない」といった、不安や諦めの声が多く見受けられます。実際に、このまま消費マインド、すなわち消費者の購買意欲や心理的な状況が一段と低下していくことになれば、日本の内需の牽引役である個人消費が勢いを失う、腰折れと呼ばれる状況に陥ることも懸念されます。景気の現状判断と先行きの不安が混在する中、政府と企業には、消費者の信頼を回復し、景気の安定的な回復に向けた適切な対応が求められていると言えるでしょう。

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