近年、私たちの食卓から少しずつ果実が姿を消していることをご存知でしょうか。総務省の家計調査によると、2人以上の世帯における果物の消費量は、この10年間で2割以上も落ち込んでいます。皮を剥く手間や価格の高騰が影響していると考えられますが、そんな逆風を物ともせず、驚異的な成長を遂げているのがキウイフルーツなのです。
2019年10月11日現在のデータでは、キウイの消費量は10年前と比較して約5割も増加しており、まさに「果物界の独り勝ち」状態と言えるでしょう。3年前の統計と比較しても、支出金額は1,906円と25%も上昇しました。スーパーの果物売り場でも、グリーンとゴールドの鮮やかな色彩が、ひときわ強い存在感を放っているのが印象的ですね。
健康志向から「日常の美味しさ」へ!ゼスプリが仕掛ける新戦略
この快進撃を牽引しているのは、圧倒的なシェアを誇るゼスプリ社です。同社の猪股可奈子マーケティング部長は、現在の好調に甘んじることなく「消費量はまだまだ伸ばせる」と力強く語っています。これまではビタミンCなどの栄養面を強調する戦略が中心でしたが、今後はより幅広い生活シーンに浸透させることで、キウイを日常に欠かせない存在へと押し上げる構えです。
SNS上では「キウイブラザーズ」という公式キャラクターが爆発的な人気を博しており、若い世代を中心に「可愛いし美味しい」というポジティブな反響が広がっています。単なる健康食品としてではなく、ライフスタイルを彩るエンターテインメントとして受け入れられている点に、私は現代的なマーケティングの真髄を感じずにはいられません。
今後の成長の鍵を握るのは、デザート以外の活用法です。キウイ特有の爽やかな酸味は、実は料理のアクセントに最適であり、お肉を柔らかくする成分「アクチニジン」を含んでいるため、調理との相性も抜群と言えるでしょう。専門用語であるアクチニジンはタンパク質分解酵素の一種で、これを活かしたレシピ提案が消費拡大を後押しするはずです。
利便性の向上も加速しており、2019年の夏にはファミリーマートの一部店舗で冷凍カットキウイが試験販売されました。いつでも手軽に楽しめる環境が整うことで、キウイ人気は不動のものになるでしょう。果物離れが進む日本において、キウイが示す「手軽さと多機能性」の両立こそが、次世代の食習慣を救うヒントになるに違いありません。
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